佐賀県|佐賀県有明海地区地域水産業再生委員会鹿島市

佐賀県有明海漁業協同組合(鹿島市)

取組概要 ノリの品質向上
キーワード 食味検討会
垂下式カキ養殖
販路 その他
取組タイプ 安全・衛生管理
魚種 ノリ
カキ

浜プランの取組内容

1 . 海苔等の品質向上のための取組み
(1)高鮮度状態で迅速な水揚げ加工を行う施設の整備
 漁協、市及び県は、鹿島市水産業産地協議会を構成し、漁協が主体となり建設する大型冷凍庫及び大型共同乾燥施設や異物検知機の導入、鹿島市が主体となり行う漁港の改修を推進し、品質の向上に繋がる事業を推進していく。
 今年度、漁協は、喫緊の課題である大型冷凍庫の建設場所と規模を漁業者の意見を集約決定し、早期事業着手に向け動き出す。冷凍時間の短縮が可能な高度冷凍技術設備を導入した大型冷凍庫を整備し、冷凍網の一時保管時の品質向上や冷凍網の適時展開により、海苔の品質向上を図り販売単価の増加を見込む。
 また、市は、飯田漁港箱崎地区の物揚げ斜路拡幅工事の実施設計を行い、平成27年度工事着手に向け事業を進めていく。物揚げ斜路の拡幅により、海苔の水揚げ時間の短縮で鮮度を保持した状態での乾燥加工が可能となり、海苔の品質向上から販売単価の増加に繋げる。
 大型共同乾燥施設については、漁協は漁業者からの意見を聴取しつつ、協業化の取組の
推進状況とあわせて検討していく。
(2)殖及び加工技術の向上
 漁協は、佐賀県有明水産振興センターと連携した「技術講習会」や漁業者の施業士気を向上させる「食味検討会」を定期的に開催し、漁業者の施業技術を向上させる。
 特に「食味検討会」については、一般消費者を含めた審査員が生産者の異なる2種類の海苔を食味し、おいしい方を投票、多数決で優劣を決定、トーナメント方式で順位を決定することで、漁業者同士が互いに研磨することにより高い施業技術取得の意識を醸成させる。
 今年度、漁協支所及び漁業者は、共同して「食味検討会」を開催し、昨年より多くの出品者と一般消費者審査員の参加により、検討会を充実させる。具体的には、技術講習会等と併せてのべ参加者数を前年から約20名増加させ、意識の醸成と技術の向上により品質向上に繋げる。
(3)的確な養殖管理のための情報伝達
 漁協は、赤潮等の発生で品質低下が広範囲に及ぶことを防止するため、県有明水産振興センターと連携し、漁業者に対して海苔網の干出し高さ調整や摘み取り時期の情報を迅速かつ的確に連絡できる体制を整えていく。
 今年度、漁協は、全漁業者がこれらの情報を受け取るための端末の常時携帯を推進し、現在約90%となっている端末の常時携帯率を今後5年間で100%に達成させる目標を立て推進していく。
(4)組織的な海底耕耘
 漁業者は、赤潮等による色落ち被害からの販売単価の低迷を改善させるため、漁協及び市と連携し、赤潮等の発生を抑制する効果がある海底耕耘を継続し組織的に行う。
 今年度、漁業者が主体となる継続的海底耕耘は、沖合の良好な漁場周辺の澪筋を優先し行う。さらに、耕耘の深さ、網目の幅などが異なる貝げたを試験的に使用することで、最も効果的な貝げたの開発や耕耘後の海況状況の検証も進める。作業を行う漁業者は、漁協事業所単位の輪番制で一定時間の耕耘を行い、毎年期間を限定して年間耕耘面積約100ヘクタールを目標に活動していく。中長期的には、耕耘と赤潮発生のデータを集計比較することで、発生の抑制に繋げていく。
 さらに、漁業者は、翌年度の沿岸漁業整備開発事業による区画漁業権内の大規模耕耘区
域を選定するため、耕耘時、海底の状況を観察しながら作業を行う。
(5)集団管理による張り込み柵数の縮小
 漁協は、養殖集団管理を徹底させるため、新うまい佐賀のりつくり運動実践本部と連携し、「のり養殖に関する基本指針」を遵守して施業に努めるよう漁業者に対し指導を強化していく。
 今年度、漁業者と漁協は共同で、海苔網密度の適正化による漁場環境改善させることを重点課題とし、5年間で市地域内柵数の10%削減を目標として掲げ、全体で4,300柵を毎年段階的に削減していく。削減する区域の選定は、これまでの漁場の状況などを参考にして、削減区域の状況を注視しながら検証し、目標を達成させる。
 さらに、漁協は、柵数削減に対する漁業者の理解を深めるため、平成28年度からは、柵数減少による生産収入の減と漁場環境の改善による販売額の増を数値で比較し漁業者に公表していく。
2.漁業経営多角化への取組み
(1)バラ干し加工海苔の生産
 販売単価が低迷している主な要因である2番摘み以降の低品質海苔(板海苔単価が9円未満)の収益を向上させるため、今後需要が見込めるバラ干し海苔加工の割合を増加させる。漁協は、バラ海苔干し加工施設を整備するとともに、大量かつ定量的取引が見込める商社等への営業活動による販路拡大を進め、漁業者の販売収入増加と収益の分散化による安定した収入に繋げる。長期的には、板海苔加工以外で高品質で高収益につながる生産を目指して、事業拡大を進めていく。
 今年度、漁協は、バラ干し海苔加工施設を整備し、需要のニーズに合わせた加工方法、生産量、稼働収支を検証し、翌年度への本格生産への道筋を掴む。
(2)新たな牡蠣養殖の開発 
 多角的な漁家経営により経営の安定化を図るため、数名の漁業者有志は漁協とともに、県有明水産振興センターと連携し、垂下式による新たな牡蠣養殖を開発する。
 まずは、養殖に適した海域を選定し、垂下式養殖技術を確立するため、水深、潮流の異なる複数の箇所で、垂下の高さ、垂下密度を変えて試験的に養殖し、生育の状況を詳しく検証する。一定の実証が整い次第、養殖時期が重複する海苔との関連性について分析し、相乗効果(牡蠣が有害なプラントンを捕食する等)による海苔の品質向上や赤潮等の発生の抑制に繋がることを検証し、新たな施業として試験から本格生産にシフトしていく。
 今年度は、沖合で水深が深く潮流が速い海苔養殖区画漁業権の一部で試験養殖を行い、生育状況を詳しく検証する。
3.宣伝活動の取組み
漁協は、地産地消を基本として、地元市民においしい海苔を味わってもらい、その口コミで市外県外へ情報が伝わり、海苔の消費を拡大させる。 今年度、漁協は、市内の全小中学校の給食への海苔の配布を行い、子供たちから家族へ伝わり、家族の購買意欲を向上させることで地元の消費量の拡大を図る。
4.漁場環境の保全
漁業者及び漁協は、県及び市と連携し、「有明海クリーンアップ作戦」などの海岸漂着物の収集清掃活動や海域漂流物ごみの海上清掃活動を組織的かつ継続的に行い、漁場環境を保全し、高品質の養殖海苔の生産や漁獲量の増大に繋げる。

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※上記は、水産庁ホームページに掲載の浜プランの内、取組初年度の内容を転載しています。

団体情報

JF・団体名 佐賀県有明海漁業協同組合(鹿島市)
住所 〒840-0034 佐賀県佐賀市西与賀町大字厘外821-2
電話番号 0952-24-3351