浜プランの取組地区数
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8
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地区
※2022年3月末時点
浜プランの取組地区数
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地区
※2022年3月末時点
取組概要 | 枝幸ホタテのイメージアップに向けた広告、販促活動、地域団体商標・GIの登録 |
キーワード | EU向け輸出 定置網のAI化 トレーサビリティー導入 |
販路 | 域外流通 |
取組タイプ | 広告宣伝、イベント |
魚種 |
ホタテ サケ カニ タコ ウニ |
1.資源管理による安定した水揚・単価向上による所得向上
過去に低気圧災害によりホタテ貝資源が減少し漁業経営に影響を受けたため、漁場管理の強化による安定的な資源量の確保と景気動向に左右されない単価の維持・向上を目指すほか、漁場レーダーを活用した関係機関との連携による密漁防止(ナマコ密漁・外国船による不審漁具設置防止)を図る。
○資源管理
ホタテ貝・海底ハザードマップの作成、活用により安定的な資源量を確保する。
・ヒトデの駆除、海洋モニタリング、採苗の確保と効率的な採取方法を検討する。
サ ケ ・回帰率向上に向けた稚魚育成環境の再確認(親魚確保・採卵・育成・放流)をする。
・定置網にクラウド型魚群探知機を設置しAI化する事で効率的な操業と小型クロマグロ対策を実施する。
○単価向上
ホタテ貝・EUをはじめとする海外輸出増大に向け、衛生管理された高鮮度な製品を製造する。
・「枝幸ホタテ」のイメージアップに向けた広告、販促活動、地域団体商標・GIの登録を目指す。
・漁獲物のトレーサビリティー化により漁獲から販売までのルートを明確化する。
サ ケ ・サケのブランド化に向け、活締めや新技術を利用した海水や製氷の活用による鮮度保持を図る。
・衛生管理を強化した荷捌き施設を整備し、魚価向上を図る。
2.燃油資材の高騰対策
ここ5年間は燃油の高騰はなかったが、最近は上昇傾向であり漁業経営を圧迫する可能性も出てきたことから、今後とも従来の浜の活力再生プランと同様に取り組みを実施する。
○減速航行
・出入港時の船速1ノットダウンにより燃油使用料の削減を図る。
・毎冬、漁船上架時における船底洗浄の実施を促す。
○漁具・漁網の洗浄
・漁具洗浄施設を利用し洗浄する事で破損個所の発見や修理ができ、長期使用を図る。
3.漁業者の人材確保や関連産業に係る連携
漁業は労働時間や労働環境において重労働と若い年代から認識される事が多いことから、その認識を払拭するため機器等の導入による効率的な作業方法を確立し、担い手の確保に取組む必要がある。ホタテ貝採捕漁船をはじめ各種漁船を大型化し、作業効率や安全面の向上を図るとともに、新規漁業者への指導・研修を行いながら、雇用形態や給与・社会保障面の改善、退職金制度の導入、更には住環境などの充実を図り、新規組合員や乗組員の確保を図る。
近年、船体の補修をはじめ、無線、鉄工所、電装機器等の漁業関連産業についても廃業や人材不足が生じ、故障による緊急の対応などが難しくなってきている事から、関連産業のネットワーク化に取組む。
当町では、水産加工業者が比較的多く経営されているが、加工業者の従業員の減少、高齢化の進行が懸念されている。また、ホタテ貝以外の漁獲物の加工処理が少なく、原料のまま他市町村の加工場へ輸送されることが多い。町内には漁協冷凍工場を含む3社の海外HACCP認定工場があるが、町内の他の水産加工業者に対するHACCP導入に向けた研修ほか、施設整備に係る支援を行い、地域全体をあげて衛生管理体制による高品質な製品づくりに取組み、国内消費の拡大、更にはEU諸国をはじめとした海外輸出促進を図る。
○人材確保
・後継者を漁業研修所へ斡旋し、資格の取得や他地域との交流機会を増やし、将来の担い手を育成する。
・ホタテ貝船乗組員の雇用形態や給与・社会保障・福利厚生の充実に向けた取組を実施する。
・ホタテ貝採捕漁船の大型化による作業環境の改善、乗組員の増員による作業負担の軽減等を取り組む。
○関連産業に係る連携
・漁業関連産業における近隣地域の連携をとるためにネットワークを構築する。
・関連産業の事業存続に向けた活動や人材の交流などを通じて人材の確保に努める。
・安心安全な製品を届ける事を第一にした加工を実践し雇用の確保を安定的なものとする。
・枝幸町所有の加工処理施設や町内加工業者の衛生管理体制を確立(HACCP導入に向けた整備)する。
4.直販施設の整備及び魚食文化の普及活動
地元で捕れたホタテ貝、毛ガニをはじめとした新鮮な水産物を「オホーツク枝幸ブランド」として地域住民や観光客へ販売・PRを行い、地産地消の促進や販路拡大を図ることを目的とした直販施設を整備する。
また、地域イベント等へ積極的に参加し、地場水産物の販売・PRを行い、消費者に対し魚食文化の普及促進を目指す。
更に他業種(農協、広告代理店、生協)等との交流や提携により新しい切り口での販売方法や販促活動を行い、シーフードショー等の商談会による新たな顧客の獲得に取り組む。
1.EU向け輸出の推進等によるホタテ単価の向上
・ホタテガイ漁業者245名と枝幸漁業協同組合は、平成27年のEU向け輸出を目指し、当地区を含む宗谷南部海域においてホタテガイのEU出荷の海域指定を受け、今後のEU出荷量(原貝で400トン程度を目標)を増やす。さらに、船上での漁獲作業や枝幸港での水揚げ、加工場への搬送に おいて「北海道対EU輸出ホタテガイ管理要領(宗谷南部海域)」等を遵守した体制となるよう、 以下に示す取組みを行う。
(1)枝幸漁業協同組合は、砕氷施設、荷捌所、トラックスケール等の老朽化施設の整備更新に順次取り組む事により、各施設の衛生管理の強化を図る。
(2)枝幸漁業協同組合は、漁協直営加工施設について、民間加工場と連携しホタテのEU輸出に向けたハサップ認定を受けるための加工機器の更新や増設を進め、ソフト面、ハード面の両面から見直しを行う。
(3)ホタテガイ漁業者245名は、漁獲量の増産や安全な操業体制の確保を図るため、漁船の更新に伴い大型化を順次進める。
2.水産物のブランド化など付加価値向上と各種イベント等での宣伝普及活動推進
・全漁業者及び枝幸漁業協同組合と枝幸町は、枝幸町商工会や観光協会、農協などとともに組織する「ブランド推進プロジェクト協議会」が定める販売戦略に基づき、町の支援を受け、道内外で開催されるイベントで宣伝活動を行うとともに、消費者との交流型事業を通して、安心で安全な水産物を生産していることをアピールし、消費者に信頼される産地としての魅力を発信していくことにより、水産物の付加価値向上と魚価の向上を目指す。
・サケ定置網漁業者212名と沖合底引き網漁業者1名は、水揚げ後に冷却水タンク保管や漁船の魚倉に砕氷等を投入し運搬するなど冷却効果を高めることで、水揚げ後出荷までの低温管理 (5℃以下)を徹底する。加えて、鮮度保持・衛生管理強化・サケ魚卵の歩留まり向上を図るため、海水殺菌装置の整備を検討する。
3.栽培・資源管理型漁業による安定した水揚げの確保
・ホタテガイ漁業者245名は、漁場の海底耕耘を通じて、食害をもたらすヒトデ駆除の強化を図ることにより、安定した水揚げを確保し漁獲量の向上を目指す。
・サケ定置網漁業者212名は、増養殖事業の推進による安定した水揚げを確保するため、適正な河川放流のほか、宗谷管内さけます増殖事業協会と連携し、前浜において、プランクトン調査、水温調査などの環境のモニタリングを行い、実践的知識・技術の習得を目指すことで放流適期を把握し、適切な放流の実施に努め、サケの回帰率向上を図る。
・タコ漁業者220名は、漁獲した稚ダコの保護に努めるべく、漁協独自に一定重量(2.5kg)以下については放流を徹底し資源保護に取組むことで、将来にわたり安定した漁獲量の確保により収入向上を目指す。
・その他、毛ガニ篭漁業やナマコ桁網漁業を兼業で行う全ての漁業者と漁協は、ホタテやサケ偏重の漁業形態から複合漁業形態への転換を図るべく、資源量調査に基づく自主的な漁獲制限ルールの設定などを通じて資源管理に努めることで、毛ガニやナマコなどの増産を図る。
JF・団体名 | 枝幸漁業協同組合 |
住所 | 〒098-5805 北海道枝幸郡枝幸町幸町7888 |
電話番号 | 0163-62-1285 |
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されており、2017年8月現在、北海道から沖縄まで、全国で640を超える浜プランが策定されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |