浜プランの取組地区数
5
8
5
地区
※2022年3月末時点
浜プランの取組地区数
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地区
※2022年3月末時点
取組概要 | 鮮度保持による高付加価値化 |
キーワード | 神経抜き 低温管理 大間まぐろ |
販路 | 域外流通 |
取組タイプ | 鮮度保持(〆・裁きなど) |
魚種 |
マグロ スルメイカ タイ メバル ブリ |
以下の収入向上の取組により、基準年に対し9.23%の所得向上を図る。
①水産物の付加価値向上の取り組み
1) いか釣漁業者は、漁獲後の船上での低温管理(5℃以下)を徹底すべく、天候や気温に合せて適切に施氷し、速やかに箱詰めを行う。海水殺菌装置を導入している漁業者は、殺菌水でイカを洗浄し、解氷水による白色化を避けるため、穴あきの発泡スチロール箱を使用する等の対策を徹底する。対策の不十分な漁業者に対しては、漁協が指導を行い本プランの目標達成を確実なものとするよう努めさせる。
2) 一本釣漁業者は、クロマグロについて、漁獲後に魚体を傷つけないようマットを使用し、速やかな血抜き・内蔵処理・神経抜き作業を行うとともに、海水氷による低温管理を徹底する。また、県外流通がほとんどであることから、漁協は、地元及び県内業者からの聞き取り等で消費者ニーズを把握し、近隣向けの独自の出荷ルートを確立し仲卸業者や運送費用の削減を図る。また、漁協は、TAC によるクロマグロの漁獲枠を最大限活用できるよう、マグロ漁業者と共に有効な個別配分方法を検討する。
その他の魚種においても、鮮度保持処理の徹底による魚価向上を図る。
ブリにおいては、釣り上げ後、身割れ防止のため甲板に敷いたマットの上で即時の血抜き後、すぐに海水氷処理(海水1:氷0.5 以上)を行う。タイやメバル等の赤物においても、即時に血抜き後、すぐに海水氷処理を行い、鮮やかな色が長く保てるようにする。漁協の開催する説明会や講習会により全一本釣漁業者に手法を習得させ処理を徹底させる。
3) 採介藻漁業者は、身入りの悪いウニをツルアラメが大量に繁茂する10mより浅い漁場に移殖し、身入りを良くすることで魚価の向上を図る。
移殖の際、ウニを傷つけないよう注意し、海藻類の繁茂状況を把握した上で適切な密度で放流する。
また、これまでホコ取りに限定していたため需要の半分程度しか漁獲できていないツルアラメを10m以深においてマッケ(注2)による漁獲により年間10トンまで漁獲の増加を図る。但し、マッケによる漁法は漁獲圧が高くなるためツルアラメの繁茂状況を確認しつつ漁獲量を調整する。
(注2)マッケ:海底に沈め船で引き海藻を引っ掛けてとる漁法
②磯根資源回復による漁獲量向上の取り組み
町が運営する種苗育成センターで生産されるアワビ種苗の放流による磯根資源回復を図るため、放流の成果を上げている地域(千葉県を想定)を訪問し、放流に適したサイズ、時期、漁場環境等について調査し、地先漁場への有効活用を検討する。
また、漁協は、ナマコの育成に適した漁場を探索し、ナマコ採捕禁止区域として、規格外の小さなナマコが漁獲された場合には漁協が引き取って禁止区域に再放流する。禁止区域は複数設定し、漁場又は育成場として計画的に運用することで持続的な資源の活用を図る。
この他、漁港内の空きスペースを活用して、アワビやナマコの蓄養が可能か調査する。
③漁業と観光による取り組み
漁協・町・商工会・観光協会等は、漁業者の協力を得て「おおまブルーマリンフェスティバル」や「産業祭」等のイベントにより、来場者に対して大間まぐろの試食提供や、旬の水産物の販売等をすることで品質の良い地域の水産物への理解を深めていただき、町内での消費拡大を図る。
①水産物の付加価値向上の取組
イカ釣漁業者は、船上での箱詰めを行うに当たり、漁獲後の低温管理(5℃以下)を徹底するべく、適切な施氷と合わせて速やかな発泡スチロールでの箱詰め作業を行う。この作業においては、イカの氷焼けを避けるとともに氷からの解凍水に触れないようにすることで白色化を避けることが必要となるため、全漁業者を対象とした講習会を行い、対策の徹底化を図る。加えて、大間まぐろの餌として一本釣り漁業者からの要請を受けて活イカの供給を行うこととするが、イカの生残率を向上させるため、船内生け簀での海水冷却装置使用の徹底を図る。
一本釣漁業者は、本マグロの漁獲後の速やかな内臓処理・神経抜き作業を行うとともに海水氷による低温管理を徹底するべく、漁協の協力を得て、これら作業にかかる技術講習会を開催する。また、県外流通がほとんどであることから、消費者ニーズを踏まえ、地元及び県内向け出荷に取り組む。なお、仲卸業者を通さない直接出荷とすることで独自の出荷ルートを確立し、単価の向上を図る。マグロ以外にも、タイ・メバル等の赤物においては、血抜き作業後すぐに水氷り処理(海水1に対し0.5以上の氷を使用)し、鮮やかな色が長く保てるよう処理を徹底させる。ブリ等その他鮮魚においても、魚種ごとに販売先のニーズをもとに最適な処理基準(血抜き・水氷り処理)を定めることとし、赤物とあわせて、技術講習会を開催することで全船への徹底を図る。
②漁業と観光による取組
漁協・町・観光協会・商工会等は、漁業者の協力を得て「マグロだDAY」「超マグロ祭り」等のイベントを利用して、一般来訪者に対して、上記の取組(血抜きや水氷り処理等)を行ったものと行っていないものとの食べ比べ等を行い、品質の良い水産物への理解を深める。 また、イベントを定期的に開催することで、本州最北端の地及びマグロ一本釣りの町への観光客の増加に努める。
JF・団体名 | 大間漁業協同組合 |
住所 | 〒039-4601 青森県下北郡大間町大字大間字下手道59-3 |
電話番号 | 0175-37-3117 |
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されており、2017年8月現在、北海道から沖縄まで、全国で640を超える浜プランが策定されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |