浜プランの取組地区数
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8
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地区
※2022年3月末時点
浜プランの取組地区数
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地区
※2022年3月末時点
取組概要 | マスメディアを利用した「とやまの旬の魚」の情報発信、フクラギやアジのブランド化 |
キーワード | ブランド化 とやま市の旬の魚 産地市場統合 |
販路 | その他 |
取組タイプ | 広告宣伝、イベント |
魚種 |
ホタルイカ シロエビ フクラギ アジ サバ |
① 水産資源の管理
・育てる漁業による水産資源の持続的利用
→ 資源管理型漁業・栽培漁業の推進
【資源管理型漁業の推進】
漁協並びに漁業者は、乱獲を防ぎ、一定基準以下のサイズの魚は再放流するなど、資源管
理型漁業を推進する。
また、シロエビ、ホタルイカなどの商品価値が高い魚種を集中的に捕獲すると資源の枯渇
を招くため、漁協並びに漁業者は、適正な漁獲による持続的な資源管理を実施する。
【栽培漁業の推進】
現在富山市地区では、計画的にクロダイ及びヒラメの種苗放流を実施し、育てる漁業によ
る資源の持続的活用を図っている。漁協は、これらの魚種の種苗放流について漁業者や県水
産研究所の意見を聞きながら、現地での放流方法を改善し、回収率を向上させることによる
漁獲量増加を目指す。
また、漁協並びに漁業者は、県水産研究所が取り組んでいる新たな魚種(キジハタ、アカ
ムツ等)の種苗放流用の稚魚の生産に協力し、新たな高級魚の資源増大に向けた取り組みを
支援する。
② 良質な水産物の安定供給と販路拡大
・良質な水産物の安定供給
→ 安全・安心な水産物の安定供給に向けた環境整備
【漁港における高度な品質・衛生管理対策の推進】
消費者の食品に対する安全・安心を求める要望は、近年特に高まっている。このことから、
漁協は、鮮度保持などの高度な品質・衛生管理の導入等の対策を推進する。
【水産物安定供給の推進】
現在、市内には四方、岩瀬にそれぞれ産地市場が開設され、個別に取引が行われている。
こうした状況は、富山市産の高規格魚の分散を招きやすく、市民への安定供給や、まとまっ
たロット数の確保を困難にする一因となっている。そこで、漁協は、四方市場と岩瀬市場に
分散した漁獲物を市場統合により岩瀬市場に集約することで、2 つの市場の漁獲物を1か所
に集荷し、数が揃いにくい高規格魚(高級魚や大型で高品質な魚)を安定供給できる体制を
整える。
また、漁協は、産地市場の機能を岩瀬市場に集荷することで、経営の効率化と安定化を図
る。加えて、市場統合時には、EU 等への輸出を見据えた構造とし、水産物の販路拡大に対
応できるようにする。
・富山市ブランドづくりによる競争力のある水産業の展開
→ 水産物の高規格区別化とそのPR
【新たな水産物ブランド化の高規格化推進 】
水産物をブランド化し、高価格を維持するための条件としては、高品質なものを安定的に
供給できる体制を整えることが重要である。このことから、漁協は、区別化が進みつつある
富山県ブランドとして全国に名高いシロエビやホタルイカに対して、漁期や魚価に応じた出
荷調整を行うための急速冷凍機及び冷凍・冷蔵施設等の導入を行うことで、より高品質で安
定的な供給体制を整備する。
また、漁協は、岩瀬市場に水産物を集荷することで、四方市場に水揚げされていたホタル
イカや青魚についても、令和元年度から導入している電子入札システムによる取り扱いを可
能にする。電子入札システムにおけるリモート入札の機能を活用することにより、仲買人が
どこからでも端末で入札が可能となることで、セリの競争力が強化され、魚価の向上が図ら
れる。
さらに、漁協は、ブリやフクラギ、サバ、マアジ等の多獲性魚類について、プラン第1期
に作成した脱血、神経締め、首折り等を活用した品質向上マニュアルを充実させ、漁業者に
広く普及する。
漁業者は、クロダイについて漁船の船槽や市場の活魚槽等を有効活用することで、活魚の
取り扱い量を増やし、魚価の向上に繋げる。
市場統合や鮮度管理により、市場に同一で高品質な漁獲物が集約されることで、高規格魚
の安定供給による魚価の向上を目指す。市況による価格変動を緩和する方策を検討しつつ、
新たな魚種のブランド化を推進する。
・魚食普及と区別化による市民意識の啓発
→ 食育・地産地消の推進
【水産物PRの推進】
漁協並びに漁業者は、「とやま市産の魚」を富山市内外に広くPRするため、富山市内で水
揚げされる水産物等を積極的に情報発信し、販売促進に繋げる。
・水産業の果たす多面的機能と市民意識の啓発
→ 森・川・海をつなぐ環境保全活動の展開
【漁業者による「出前講座」の推進】
若手の漁業者が小学校において「出前講座」を実施しているが、講義を行う漁業者にとっ
ても改めて学ぶ機会となっており、よい効果を生み出している。
このことから、富山市職員とともに「出前講座」を展開し、小学校以外にも対象を広げな
がら魚食普及や水産業の多面的機能の普及啓発に努める。
③ 快適で活力あふれる漁村地域づくり
・快適でにぎわいのある漁村地域づくり
→ イベントの開催や直売所・食堂等の設置
漁協並びに漁業者は、祭りの開催や直売所及び食堂等の設置を実施し、それぞれで地元水
産物を積極的に使用することで、沿岸地域外からの集客を促進し、さらなる賑わいの創出に
よる漁村地域の活性化に努める。
・集客力のある漁村地域づくり
→ 海洋レクリエーション拠点の活用
全国的にも数少ない釣り防波堤がある水橋フィッシャリーナ等の海洋レクリエーション
拠点等があることから、富山市は、集客力のある漁村地域づくりを推進する。また、北陸新
幹線開業による交流人口の拡大を契機とし、観光資源としての漁業の有効活用の方策を検討
する。
④ 担い手の育成・確保と経営基盤の強化
・持続可能な漁業経営の展開
→ 多様な担い手の確保
漁協並びに漁業者は、富山県地域漁業担い手確保・育成協議会に参画して、中堅漁業者の育
成のために新規就業者を対象とした経営管理の知識や熟練漁業者の技術等を習得する機会の
創出や、漁業就業相談会及び就業準備講習会等を実施し、漁業就業者の確保・定着を促進する
活動に取り組む。
⑤ 漁業コスト縮減への取り組み
・船底清掃実施の徹底
漁業者一人ひとりが年1回以上の清掃実施を徹底するとともに省力な航行に努め、経費削減
を図る。
・経営体の経営基盤の強化
→ 経営合理化のための施設・機械装備の充実
【漁船及び装備機器の近代化の推進】
漁協並びに漁業者は、漁船及び装備機器(漁船新造、魚探、GPS、潮流計等)の高度化を
計画的に実施し、作業の高速化・省力化を図る。漁協及び漁業者は、併せて、漁船及び装備機
器のメンテナンスを定期的に実施し、漁船及び装備機器の長寿命化及び燃費の改善等を図る。
⑥ 漁港の機能充実
・漁港施設や海岸保全施設の機能保持
→ 利便性の高い漁港環境の維持
利便性の高い漁港環境の維持を図るため、富山市は、漁港施設等の計画的な維持管理及び近
代化に努める
(1)漁協と全ての漁業者は、乱獲を防ぎ、一定基準以下のサイズの魚は再放流するなどのルール作りの基準を整備するための検討を開始する。
また漁協は、育てる漁業による資源の持続的活用により漁業振興を図るため、計画的な種苗放流の対象魚種についての検討を開始する。
(2)定置網漁業者及び一本釣り漁業者は、漁協とともに、ホタルイカやシロエビなど、ある程度ブランド化に成功した魚種以外にも、ブランド化をめざし、フクラギ(ブリ当歳魚)、アジ、サバのように区別化の難しい魚について、船上での活締め(脱血または、神経締め)を「試行」する。また、旨み成分等のデータによる鮮度保持の視覚化に向けた研究を開始する。
(3)平成27年3月に開通する北陸新幹線による交流人口の拡大を漁港の活性化につなげるため、漁協は、漁協の直売所及び食堂等の設置と併せて、自ら買参権を取得し、セリ人から魚を直接購入することにより、新たな魚の販売方法や魚価が安い時には漁協が購入して魚価の底支えができるよう関係者と条件等について協議を開始する。
(4)定置網漁業者、小型底引き漁業者、刺網(たこ)漁業者及び採貝漁業者は、漁協とともに荷捌き所に活魚水槽を導入し、魚価に応じた出荷調整を行うことにより、魚価の安定化に努める検討を開始する。
(5)漁協は、四方地区と岩瀬地区の産地市場の統合をめざし、試験的に市場の閑散期である8月と9月に市場を両地区1箇所のみを開きセリを実施する。漁協はこの取組で、問題点を把握する。
(6)全ての漁業者は、出前講座や白えび祭り等のイベント、新聞・テレビ等のマスメディアを利用し、「とやまの旬の魚」に関する情報発信等を行うことで区別化を推進する。また、内外に広くPRしていくために、富山市産の魚であることが分かるネーミングや、輸送用の箱への「富山市産」や個別の漁港名などの記載のほか、流通段階におけるシールを貼付することにより、魚価単価の向上に努めるための検討を開始する。
(7)富山市は、市管理漁港の施設について、計画的な改良・維持管理を行い(水産物供給基盤整備事業)、漁業者にとって利便性の高い漁港環境の整備を図るための検討を開始する。
JF・団体名 | とやま市漁業協同組合 |
住所 | 〒930-2256 富山県富山市四方港町87 |
電話番号 | 076-435-2965 |
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されており、2017年8月現在、北海道から沖縄まで、全国で640を超える浜プランが策定されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
---|---|---|---|---|---|---|
北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |