浜プランの取組地区数
5
8
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地区
※2022年3月末時点
浜プランの取組地区数
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地区
※2022年3月末時点
取組概要 | 田子の浦ブランドの確立 |
キーワード | 漁協食堂 6次産業化 未利用魚の活用 |
販路 | 域内流通 |
取組タイプ | 新商品開発 |
魚種 |
シラス ワカメ |
① 田子の浦ブランドの確立、魚価の維持・向上
『富士ブランド』『しずおか食セレクション』『地理的表示(GI)』に認定された田子の浦しらすを、行政や販売者(民間企業)と連携し、【一そう曳きで獲り、大量の氷でしめた、鮮度抜群のしらす=田子の浦しらす】を更に広くPRし、高価な魚価を維持するとともに、田子の浦しらすとしての消費の拡大を通し、田子の浦しらすのブランド確立を目指す。
② 漁業者の6次産業化推進
獲ったままの状態(生しらす)で市場に卸していた漁業者自らが加工に取組み、付加価値を付けて販売することで、収入の向上と、市場での買手不足による魚価の低下を防ぐ。
販売網を持たない漁業者には、漁協直売所や、漁協敷地内に誘致した魚市場で販売できる環境を整備し、販路を確保する。現在、漁協直売所では、しらすの釜揚げのみを委託販売(漁業者自身が釜揚げ加工し、漁業者の付けた価格の25%の販売手数料を徴収し直売所で販売)しているが、委託加工(仕入・販売を漁協が行い、漁業者が加工料を受け取り加工を行う)を開始し、より安心して6次産業に参入できる体制を整える。
③ 未利用魚の活用
大きくなったしらす(中網しらす)や、しらすの網にかかった雑魚は値が安く、自家用にしたりや漁獲時に放流してしまっている。こうした中網しらす・雑魚を活用し、付加価値を付けた販売をすることで漁業収入を増やす。
a. 中網しらすの活用
以前は中網しらすは、キログラム当たり200円以下と安価だったが、加工原料としてのニーズが確立してきた為、価格が向上している。引き続き「しらす入りコロッケ」「しらすの唐揚げ」「しらすのかき揚げ」「しらすの佃煮」「しらすの燻製」等の製造・販売を更に促進し、中網しらすの魚価の維持・向上を目指す。
b. しらすの網にかかった雑魚の活用
漁業者自らの加工・販売の他、誘致した魚市場に協力してもらい(富士丸魚(株)が平成25年8月、富士市公設卸売市場から田子の浦港に移転し卸売業務を開始)、地元の魚屋等に相対で販売するなど、少しでも漁業収入の上乗せを引き続き図る。
④ 新たな漁業への挑戦(わかめ養殖)
しらす漁は1月15日から3月20日まで休漁となる為、刺網漁業・一本つり漁業を行う一部の漁業者以外は、その期間、漁業収入が全く無くなる。
そのため、休漁期間に、燃油をあまり消費しない「わかめ養殖」を行い、漁業収入の上乗せを図る。平成30年にわかめの区画漁業権を取得したため、今後は収穫祭を企画するなど、より効率の良い販売の仕方を模索する。
⑤ しらす街道・漁協への集客力向上
引き続き、旅行会社などへの営業を積極的に行い、また、TV・新聞・雑誌等の取材を通してPRし、更なる集客を目指す。
防災(津波避難)等にも目を向け、機を見て防災や衛生的な視点での施設の改修等も行いたい。(第2期中とは限らない)
⑥ 省燃油活動など、経費削減
燃油高騰など、経費削減に厳しい状況だが、省燃油活動など経費が増大しない方法を追求していく。
また電気代高騰による、漁協の冷凍庫の経費増大を防ぐため、省エネ機器の導入・施設の改築なども検討する。
⑦ 安定した一定以上の漁獲量
順調に魚価も向上し、省燃油活動の効果も出てきたが、大部分の漁業者が専業になれるだけの漁業所得に達するには程遠く、安定した一定以上の漁獲量・漁獲高の達成の為に、漁船性能の向上と技能の向上を図る為、高性能機器の導入や講習会等への参加を行っていく。
平成31年2月完成予定の製氷機の能力向上により、氷不足による品質低下や操業中止の心配がなくなる為、高品質なままでの漁獲の維持・増大を目指す。
⑧地域内での田子の浦しらすの確保
地域内で田子の浦しらすの在庫が不足すると、地域内への観光客の流入が一気に減少する。
こういった状況が続くと漁業者の6次産業化や地域内のしらす加工・販売業者の衰退に繋がりかねない為、漁協でのしらす製品の在庫確保と卸売販売を積極的に行う。
① 漁協が漁協直売所での販売や漁協食堂で使用する釜揚げしらすを漁業者から仕入れ、田子の浦産のしらすをPR していくことで、キロ単価3,000 円~3,100 円、総額650 万円の漁業者の増収を見込む。
② 通常よりも値が安い中網しらすを漁業者自身が釜揚げ加工し、漁協による委託販売試験を開始する。キロ単価約1,300 円、総額60 万円の漁業者の増収を見込む。
③ 中網しらすを使用した新製品の開発(生しらすの佃煮、しらすの天ぷら等を想定)に取り組む。また、漁協が販売している、しらす黒はんぺん、しらすせんべい、しらすコロッケなどの原料の仕入れとして、中網しらすのちりめんを買取り、また、生しらす佃煮やしらすの天ぷら等の原料として、漁協が中網しらすを一定以上の価格で入札し、価格の底上げを図る。また、加工を漁業者に依頼し、加工賃を支払う。これらの取組で漁業者の収入の総額50 万円増を見込む。さらに、未利用魚の活用を図るため、しらすの網にかかった魚(現在は自家用として消費されている)について、魚市場に協力してもらい、地元の魚屋などに相
対で販売してもらう取組を開始する。(総額5 万円の増収)
④ しらす漁の休漁期間中などを活用し、田子の浦港管理事務所管轄内でわかめ養殖を試験的に開始する。県水産技術研究所と協力し、養殖に適する場所を探索する。
⑤ 上記①~④の消費を後押しするため、漁業者及び漁協が富士市、富士山観光交流ビューロー(富士地域の観光交流を目的に、富士市・富士宮市のほか、県、観光協会、民間団体、市民団体、個人等で構成する一般社団法人)など関係機関と連携し、『田子の浦しらす』の商標登録、しらす街道・漁協食堂のPRに取り組む。東京や名古屋など都市圏からの観光バスを積極的に誘致し、多くの観光客を受け入れ、田子の浦しらすに触れてもらう。
JF・団体名 | 田子の浦漁業協同組合 |
住所 | 〒416-0937 静岡県富士市前田字新田866-6 |
電話番号 | 0545-61-1004 |
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されており、2017年8月現在、北海道から沖縄まで、全国で640を超える浜プランが策定されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |