浜プランの取組地区数
5 6 7 地区
浜プランの取組地区数
5 6 7 地区
取組概要 | 鮮度・衛生管理の向上、漁協の販売体制見直し、ノリの加工新製品開発 |
キーワード | 衛生管理 共同販売 ノリ加工品開発 |
販路 | 域外流通 |
取組タイプ | 出荷形態(共同化・集約化など) |
魚種 |
イカナゴ チリメン ノリ ヒラメ オニオコゼ |
・漁獲物の品質向上
船曳網全漁業者は、当地区の主要魚種であるイカナゴ・チリメンについて、以下の取組を行うことで、鮮度管理と衛生管理、異物混入防止を徹底し漁獲物の品質向上を図ることにより魚価を向上させる。
船曳網全漁業者は、イカナゴ・チリメンを平成30 年に完成した製氷貯氷施設で作られた氷を使用しすばやく冷却する。また海水温の高い時期の船上や陸揚げ時の漁獲物の洗浄にも氷で海水を冷やし、その海水を使うことで漁獲物の品温上昇を防止し鮮度保持に努める。
さらに、船の甲板、魚槽、魚箱、漁具、漁網を操業開始前及び帰港時に洗浄・清掃を徹底し衛生管理に努めるとともに、漁獲物にハエなどが入らないように帰港時の清掃後にハエ防止ネットで漁網を覆う作業を全船行うことで、異物の混入を未然に防ぐ。
また荷捌所内の衛生面の向上を図るため整備した海水電解殺菌装置を適切に使用し、荷捌所内の床等の洗浄等に使用することで衛生環境を改善していく。
・販売体制の見直し
現在当漁協、淡路市室津浦漁協、南あわじ市湊漁協、南あわじ漁協、姫路市家島漁協、高砂市伊保漁協の漁獲物を入札、販売しているが、取扱量を増やすことで魚価の向上を目指す。そのため周辺の漁協との共同販売を検討する。
それと同時に魚価安定を図るため新規の仲買人を誘致する協議を始める。
・水産物の消費拡大
漁協は、漁業者と協力し、イカナゴ新子の解禁日や休出漁状況、魚体サイズなどの試験操業や本操業の漁獲情報や料理方法をFACEBOOK で消費者に発信する。またイカナゴ解禁日等の宣伝、街頭でのイカナゴ料理の振る舞いやイカナゴの料理教室、料理方法を記したチラシの配布等、兵庫県下のイカナゴ船曳網漁業者が参画しているイカナゴ謝恩実行委員会が実施するPR 活動等に参加し、イカナゴのさらなる消費拡大を目指す。漁協と全漁業者は、地元の小学校などに対しイカナゴ、チリメンの入札風景や海苔の生産状況の見学や海苔の試食により漁業への親しみの醸成や試食等の食育活動の取組を進める。
漁協は全漁業者や水産加工会社と協力し、水産加工会社から仕入れたイカナゴ、チリメンの加工品や海苔養殖業者が生産した海苔を加工会社に製造委託した味付け海苔や焼海苔を兵庫県や淡路市、水産関係団体が主催、協賛する農林水産祭で消費者に対して販売する。また味付け海苔や焼き海苔を直売所として漁協事務所を利用した直販事業を引き続き行い、水産物の消費拡大を図る。
・海苔単価向上のための海苔養殖の加工技術の向上と加工新製品開発
兵庫県漁連が実施するノリ共販の過去の入札実績において、異物混入や割れ、破れ海苔の混入等ロスの割合が高い漁協の海苔は、ロスを考慮されて単価が安くなる恐れがある。
このため、ノリ養殖漁業者は、生産前の乾燥機や周辺機器の点検及び清掃状況を加工場整備清掃点検表に記入し、点検清掃の徹底をすることで、異物混入の防止や割れ海苔や破れ海苔の混入等を無くし、ロス率の軽減を図り品質を安定させた海苔作りをすることで単価の向上を図る。
また、漁協、ノリ養殖漁業者は、漁期開始直前の9月上旬に毎年海苔商社への視察を行い、当地区漁業者が生産した海苔の加工状況等品質の評価や品質向上のための課題を直接聞くことで商社のニーズを把握し、当該漁期の海苔作りにおいて、兵庫県ノリ入札指定商社のニーズにあった商品に反映させる。
そういったニーズに反映させるための海苔養殖加工技術の習得、知識の研鑽を図るため、兵庫県漁連が主催するのり養殖技術研修会にも積極的に参加する。
またバラ干し海苔や兵庫県漁連がすすめている「むかしのり」といった高付加価値の加工新製品の製造を検討する。
・漁場環境の保全と資源量の増大
船曳網漁業者は、兵庫県水産技術センターが行っているイカナゴの成長予測や水揚げ予測、チリメン(カタクチイワシ)の卵稚魚調査などを利用し、適性サイズでの漁獲や乱獲を防ぐため、解禁日や終漁日、休漁日、時間制限の設定を毎年行うことにより、資源量の増大により安定供給を図る。
全漁業者が、水産多面的機能発揮事業を利用し底質の改善と栄養塩供給を図るため海底耕耘に取り組む。また二枚貝の放流、さらに兵庫県漁連や一般社団法人淡路水交会が主催する漁業者による森づくりに参加し、植樹、除伐作業を行うことで豊かな森を作ることにより、漁場環境の保全に取り組む。それら活動により栄養塩低下を抑えるとともに栄養塩供給を促すことで海苔の生産量および生産額の増大を図る。さらに全漁業者は、ヒラメ、オニオコゼ、マコガレイ、クルマエビ等の種苗放流による栽培漁業や資源管理等の取り組みに参加し、資源増大を目指す。
・新規漁業就業者の確保及び育成
漁協は、全漁業者と協力し、漁業人材育成総合支援事業を活用し漁業への就業希望者に対し、漁業者が海上での漁業技術や陸上での網の補修作業等の実践研修をすることで、新規就業者の確保と育成を進める。
また新卒者の漁業就業者はほとんどいないため、新たな漁業就業者の受入を狙いインターンシップの実施を検討する。
①イカナゴ・チリメンの鮮度・衛生管理による品質向上。
・素早く冷却するための適量氷使用による鮮度保持。高海水温時における氷で冷やした洗浄用海水での漁獲物洗浄。船の甲板・魚槽・魚箱・漁具・漁網の操業開始前および帰港時における洗浄・清掃徹底。清掃後のハエ防止ネットでの漁網覆着。
②水産物の消費拡大
・FACEBOOKなどのSNSでの消費者向け情報発信(イカナゴ新子の解禁日、休出漁状況、魚体サイズなどの漁獲情報、料理方法)。
・イカナゴ解禁日等の宣伝、街頭でのイカナゴ料理PR、イカナゴの料理教室・料理方法を記したチラシ配布などのPR活動。
・地元小学校などに対するイカナゴ・チリメンの入札風景やノリ生産状況見学を通じた漁業への親しみの醸成、食育活動。
・イカナゴ、チリメンの加工品、味付け海苔・焼き海苔の直販事業の検討。
③ノリ単価の向上
・生産前の乾燥機や周辺機器の点検・清掃状況の加工場整備清掃点検表など点検清掃の徹底をを通じたロス率軽減・安定品質の海苔作り。
・毎年の海苔商社への視察を通じた品質評価、品質向上のための課題、商社ニーズの捕捉。
④漁場環境の保全と資源量の増大
・解禁日や終漁日、休漁日、時間制限の毎年見直し。海底耕耘、二枚貝の放流等の漁場環境保全。ヒラメ、オニオコゼ、マコガレイ、クルマエビ等の種苗放流による栽培漁業。
⑤新規就業者の確保および育成
・就業希望者に対する海上漁業技術や陸上での網の補修作業などの実践研修。
JF・団体名 | 育波浦漁業協同組合 |
住所 | 〒656-1602 兵庫県淡路市育波148-3 |
電話番号 | (0799)84-0031 |
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されており、2017年8月現在、北海道から沖縄まで、全国で640を超える浜プランが策定されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |