浜プランの取組地区数
5
8
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地区
※2022年3月末時点
浜プランの取組地区数
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地区
※2022年3月末時点
取組概要 | 採貝漁の充実と大敷網漁の改良 |
キーワード | 大敷網漁の改良 体験漁業 加工場 |
販路 | その他 |
取組タイプ | 漁法・水揚方法 |
魚種 |
アワビ トコブシ テングサ |
漁業者の高齢化及び後継者不足による漁業者の減少で、漁村地域の活力衰退が懸念されるため、
経費の削減はもとより6次産業化への取組や体験漁業の充実化、漁業者及び漁協の意識改革を図
ることで、所得の向上と活力ある漁村づくりに努める。
◆漁業収入向上のための取組
①採貝漁の充実
当地区の漁場で採れるアワビ類は品質も良く漁獲量も豊富であり、高値で販売されていたが、
近年の温暖化等の影響で海水温の上昇に伴い磯焼けが進み、豊富であった藻が枯れ採貝の漁獲量
も年々減少しているため、各関係者(海陽町、民間企業)等と連携し藻場の改善につながる事業
(試験的調査として有機肥料の投入)を実施する。
②大敷網漁の改良、省エネ化への推進
当漁協の水揚げの6割以上を占めている大敷網漁について、現在使用している網が、天候不良
等で起きる潮流の変化等に対応できない。(急潮流時等に網おこしできず漁獲が大幅に減となる)
構造となっている。また、大敷網漁で使用している漁船は導入後20年が経過しており、エンジ
ンやその他機器についても老朽化が進み、エネルギー効率が悪く経費の増大により収益にも影響
が出ていることから、網の改良や高効率の省エネエンジン・機器等の導入を図る。
③体験漁業の充実化
現在漁業者と漁協が共同で実施している大敷網漁業体験について、体験メニューの説明等がで
きるインストラクターの育成をし、魅力ある体験漁業とすることで、サービス・安全面の向上を
図り利用者増を目指す。
④鮮度維持による付加価値の向上(衛生管理の強化、ブランド化、意識改革)
これまでの取組により鮮度維持に対する漁業者や漁協職員の意識改革は進んできていること
から、引き続き勉強会や講習会を実施し、付加価値の向上を図ることで所得向上につなげる。
⑤加工場の有効利用
加工事業を抜本的に見直し、加工販売、直売所兼食堂事業の実現に向けさまざまな検討を行う。
◆漁業コスト削減のための取組
①燃油高騰への対策
燃油の高騰に伴う操業コストの圧迫に備えるため、漁業経営セーフティーネットの加入を推進
する。
②省燃油活動の推進
省エネ施策として減速航行を徹底する。
◆その他
①災害減災対策(※本取組は収入向上やコスト削減の取組ではないが、プラン上重要と考えるた
め、基本方針に位置づける。)
作成した BCP 計画に基づき、漁業者及び地域住民の生命や財産を守るため、地域全体で避難
訓練等実施し災害減災対策を図る。また、避難路の整備や事務所の耐震化等も含め検討する。
②労働安全対策
事故の未然防止、発生時の被害最小化を図るため、労働安全講習会について検討を行う。
③産直市の開催
年末に3漁協(鞆浦、浅川、宍喰)が共同して鮮魚等を販売する産直市「とれとれ市」への出
店を継続する。
①未利用魚・低利用魚の活用・商品化
・平成25年度に産地水産業強化支援事業を活用し新設した冷蔵冷凍庫及び抗酸化特殊冷凍機を備えた加工場を活用し、未利用魚や値崩れした魚の中でも消費者が求める漁種をしぼり、その特定漁種を使用した練り物等の加工品を漁業者及び漁協が共同で開発・販売することで2年目以上の付加価値向上を目指す。
・抗酸化特殊冷凍機の能力を活用した「無塩干物」商品の新たなマーケットの開拓を目指す。(新規販路:福祉施設2件)
②大敷網漁の改良、省エネ化への推進
・2年後導入に向け網業者や専門家などを招いて年間5回、漁業者による検討会を開催する。
③体験漁業の充実化
・町内の宿泊施設(ホテルリビエラししく、遊遊NASA、オートキャンプ場)と連携し、宿泊者が体験できるシステムを構築する。
・体験プログラムの再構築(漁業体験および魚食の組み合わせ等)を図り、収益性の高い事業展開を図る。
・インストラクターの育成、安全管理の徹底を図るとともに利用しやすい時間帯の検討を図る。
④鮮度維持による付加価値の向上
・漁業者は少量の魚でも鮮度や水揚げの状態等で魚価向上につながることを理解し、
また、漁協は、漁業者が水揚げしてきた魚を新鮮なまま市場に出荷する意識を持ち、取る側売る側の魚への愛情意識を統一し、組合全体で鮮度維持による付加価値向上に取り組むため、専門講師を招き研修会(年1回衛生管理に関する研修会)を実施する。
⑤直売所兼食堂の新設
・2年後の新設に向け、その施設でどのようなコンセプトで売り(買い)、食べるのかを決定するための検討会を実施する。(年5回)
⑥その他
・漁業者は水揚げ量の向上を目的にブリやハマチ等の回遊魚(主に大敷網漁に漁獲される)を定着させるために定期的に餌をまく「飼付漁業」を引き続き実施し、餌をまく回数を月10回から月15回に回数を増やし水揚げ量を増やす。
・漁協は、ヒラメの種苗放流(年1回)や小さな伊勢エビ等の再放流(エビ網期間中)、アオリイカの産卵床の造成(年1回)等、資源回復にかかる取組を継続する。
・3漁協(鞆浦、浅川、宍喰)が共同して鮮魚等販売する直売市「とれとれ市」を年1回年末の価格が上昇する時期に開催する取組を継続する。
・四国大学と連携し、大学授業の一環で取り組んでもらうことで、さらなる商品価値の向上と人口交流(年間延べ30名)の増加を図る。
・浮魚礁設置に向けた検討会を立ち上げる。
JF・団体名 | 浅川漁業協同組合(海陽町・鞆浦地区) |
住所 | 〒775-0101 徳島県海部郡海陽町浅川字入口1-8 |
電話番号 | 0884-73-1305 |
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されており、2017年8月現在、北海道から沖縄まで、全国で640を超える浜プランが策定されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |