浜プランの取組地区数
5 6 7 地区
浜プランの取組地区数
5 6 7 地区
取組概要 | 小型シイラの付加価値向上、衛生管理体制の強化 |
キーワード | 学校給食 販路拡大 鮮度管理 |
販路 | 域内流通 |
取組タイプ | 鮮度保持(〆・裁きなど) |
魚種 |
シイラ シラス ハモ ニギス カツオ |
これまで各浜で取り組まれてきた事業を継続・発展させることを方向性の基本とし、併せてコ
スト削減を徹底することで、漁業収入の向上を図る。
■漁業収入向上の取組
シイラまき網漁業においては、漁獲が集中すると浜値が大きく崩れることのあった小型シイラ
の付加価値向上を目的に漁協が平成 21 年から取り組んでいる加工販売事業が業績をのばし販売
力が強化されてきたことで、大漁時の価格の底支え機能が強化され、年間の平均単価の向上につ
ながっている。このため、第2期プランにおいても、引き続き当該事業をプランの中核に位置付
け、漁業者は漁獲量を維持しつつ品質向上の取組を行うほか、漁協は更なる販路拡大と取扱量の
増大により購入割合の増加を図ることで、市場での価格の底支え力を強化していく。また、品質
管理のために、市場や加工場内における衛生管理体制の強化を図っていく。
バッチ漁業においては、漁獲物への充分な施氷を実施し高鮮度による品質向上の取組を引き続
き行うほか、操業時間の自主的な申し合わせにより大漁時等にも柔軟な対応を行うことで過剰な
漁獲とそれによる魚価の下落を抑制し、収入向上につなげていく。
また、漁業経営を持続的なものとしていくためにも、漁業者と漁協は新規就業者の確保に向け
た取り組みを継続する
■漁業コスト削減の取組
地域全体で船底清掃の定期的実施や減速航行を徹底し、燃油消費量の削減を図る。バッチ網漁
業においては、エンジンの計画的な更新を行い、漁業経営の安定化を図る。
これらの取組と平行して、漁業経営セーフティネット構築事業への加入を促進し、燃油高騰に
備え、漁業経営の安定化を図る。
【シイラまき網漁業の取組み】
シイラまき網漁業者は、加工用原魚を安定供給するため、従来は未利用であった小型シイラに対しても船上活〆を施し、鮮度管理を徹底した水揚を促進する。
漁協は、シイラ加工事業(シイラフィーレを中心として、ロイン、切り身加工及びラウンド凍結)の取組みとして、高知県が定める「高知県食品高度衛生管理手法認定制度」に則った自主管理マニュアルを作成し、加工場の衛生管理の徹底を図る。
また、学校給食における地元食材の活用推進のため、従来から行っているシイラフィーレの提供を継続して行うとともに、県外水産加工会社に委託して製造するフライ用粉付き切身を新たな食材として提案していく。
さらに、加工品の品質を維持したまま長期間の保管を可能とするため、真空包装機の導入を検討しつつ、漁協販売部や漁協の販売子会社「JFこうち・海の漁心市株式会社」とも連携して新規販路の開拓に取り組む。
【機船船びき網漁業の取組み】
機船船びき網漁業者は県と連携し、氷の使用量や扱い方法の違いが漁獲物の品質に与える影響などを調べる鮮度試験を実施し、その結果を学習会により普及することで、漁獲物の品質向上を図る。
産地水産業強化支援事業による「高知沖シラス産地協議会」の会員となっている高知市三里地区の機船船びき網漁業者においては、高知新港に新たに設置される製氷機を活用し、常時十分な量の氷を使用することで漁獲物の鮮度向上を図る。また、高知県産シラスの知名度を高め、消費の拡大を図るために協議会で実施する、県内外での生鮮シラスやチリメン加工品のPR活動に積極的に参画する。
【小型機船底びき網漁業の取組み】
小型機船底びき網漁業は、操業時における海中での網の形状や動きが、漁獲量や作業効率、燃費等に大きく影響するため、漁網構造が大変重要である。網の形状や動きは、潮の流れ等の環境に因るところが大きいが、網口が狭いまま操業すると、網の抵抗が少なくなるので燃費はよくなるが、漁獲量は少なくなる。一方で、網口が広いと、漁獲量は多くなるが、潮の抵抗が強くなるため、燃費が悪化する。このことから、潮の抵抗を抑える構造を取り、かつできるだけ多い漁獲を上げるために網口を広げるといった漁網構造の改良は、小型底びき網漁業にとって重要事項である。
平成25年に高知市御畳瀬地区の小型機船底びき網漁業者は、漁網の海中での挙動を把握するため、使用している漁具の縮小模型網を作製し、水槽実験を行った。
この実験結果を踏まえ、漁具改良による作業効率の向上、漁獲量の増加及び省エネを図るため、小型機船底びき網漁業者は、県と連携し、網漁具の専門家の協力を得て従来の漁網構造から変更したモデル網を製作する。また、製作したモデル網を用いて試験操業を実施し、実用化に向けて試験結果を検証する。
【沖合底びき網漁業の取組み】
もうかる漁業創設支援事業の実施に向け、高知県漁業協同組合が事業で使用する漁船を認定する。
沖合底びき網漁業を営む1漁業者は、主要魚種である沖ウルメ(ニギス)、メヒカリ(アオメエソ)、アカムツ等の販路を拡大するため、従来より氷を多く使うことで鮮度保持を徹底する。また、漁協販売部やJFこうち・海の漁心市㈱を通じて県内外の飲食店等へのサンプル出荷等に取り組む。
沖ウルメについては、県内の加工業者が干物等を製造しているが、近年は加工業者が減少し、それに伴って加工原料としての需要も減少している。そこで、干物等の加工品需要を掘り起こすため、これまでに取り扱いのなかった県内加工業者に対して営業活動を行う。
産地市場への水揚後から所定の入札時間までのタイムラグが大きく、漁獲物の鮮度低下と流通のタイミングのミスマッチが課題となっている。この課題を解決するため、漁業者と漁協、産地仲買人は協議し、漁獲物の一部に関して相対取引を実施することで産地流通に柔軟性を持たせる。また、漁協の所有する冷蔵施設で漁獲物を保管することで、鮮度低下を避けることも併せて取り組む。
漁協は、水揚げ市場の衛生管理水準の向上及び市場での漁獲物の品質向上を目指し、市場に殺菌海水装置を導入する等、今後の取組内容について関係者で協議する。
JF・団体名 | 高知県漁業協同組合(中央部会) |
住所 | 〒780-0870 高知県高知市本町1-6-21 |
電話番号 | (088)854-3600 |
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されており、2017年8月現在、北海道から沖縄まで、全国で640を超える浜プランが策定されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |