浜プランの取組地区数
5 8 5 地区
浜プランの取組地区数
5 8 5 地区
取組概要 | 海苔加工施設の共同加工化、鬼崎ノリの認知度向上、ICTブイを活用した適切な網管理 |
キーワード | 未利用漁場の活用 共同加工化による効率化 ICTブイの利用 |
販路 | その他 |
取組タイプ | 新技術の導入 |
魚種 |
シャコ エビ アナゴ タイラギ ノリ |
【Ⅰ 安定的な生産量の確保と品質向上】
①漁業者は、海苔共同加工施設を活用した共同加工化により生じる余剰労働力を用いて、食害防除網の設置等による魚、カモ等の食害対策を徹底的に行い、生産量の増大を図る。
魚に対しては、ノリ網から垂下するよう防除網を設置して養殖施設内への侵入を防ぐことで食害を防除する。カモに対しては、支柱柵の上部を網で囲う、浮き流し網を沈下する、等の方法により食害を防除する。また、効果的な防除方法を検討するため、食害魚の駆除試験を実施する。
②漁業者は、ICTブイの観測データ(水温・塩分)を活用して、水温降下時期の予測による網の張り込み時期の決定や水質環境の変動に応じた迅速かつ適切な網管理を行うことで、生産量の増加や品質の向上・均質化による単価上昇を図る。
③漁業者は、知多のり研究会が実施する栄養塩類調査や葉体病障害調査等の結果に基づき、酸処理、干出操作、ノリ網撤去等迅速かつ適切な網管理を行うことで生産量の減少や品質の悪化を防止する。
④漁協は、海苔加工機械メーカーによる加工技術の研修や、海苔問屋・商社などを講師とする海苔製品品質向上のための講習会等を開催し、漁業者の資質向上を図ることで鬼崎のりの品質向上を図る。
【Ⅱ 地元製品のPRと販路拡大】
①漁協は、愛知県が実施する小学校での出前授業や漁業士協議会が実施する幼稚園児の保護者を対象とする魚食普及交流会等の食育活動に漁協職員や漁業士等を派遣して、ノリ養殖やノリの栄養などに関する講義、ノリ製品の試食等を通じて、ノリの普及に努める。
②漁協は、「鬼崎のり」について、常滑農業祭を始めとしたイベントでのPR、漁協周辺道路への広告看板の設置、常滑市内小中学校の給食への提供等により地域における認知度向上を図ってきたが、これらの取組を引き続き実施し、常滑市内での認知度向上をさらに深化させる。
○平成25年度に鬼崎漁港に整備した海苔共同加工施設3棟に対し、個人経営体(15経営体、漁協生産量の約25%)が共同加工に参加する。共同加工化により発生する余剰労働力を用いて、漁業者は、食害防除網の設置等による食害対策及び養殖柵の増柵による生産量増大を図る。
魚に対する防除網は、ノリ網から垂下するように設置し、侵入を防ぐことで防除する。カモに対する防除は、支柱柵の上部を網で囲う、浮き流し網を沈下する、等の方法により防除する。防除網等の設置には多くの労力が必要なため、零細な漁業者は充分な対策を取る余裕が無かったが、共同加工化で得られた余剰時間をこれに当てることが出来る。
養殖柵は5年間で600柵(面積:12,960m²程度)増柵することとし、漁場環境への影響を確認しつつ、毎年120柵ずつ新たに設置する。漁場は、平成21年に55経営体(14,364柵)だったが、年々、漁業者の廃業に伴う未利用漁場の増加に対し、これまでは各経営体に余力が無いために利用できずにいた。この未利用漁場について、共同加工に参加する15経営体が作業の余力や環境影響を考慮しつつ徐々に柵数の増加に取り組む。
○漁協事務所内に設けられている直販所について、漁協は、常滑農業祭を始めとしたイベントでのPRや漁協周辺道路への看板の設置等により地域における鬼崎ノリの認知度の向上を図ると共に、漁協と提携して直販所の商品を販売しているスーパーやその他量販店に対し、取り扱い店舗数の増加等、販路の拡大を働きかける。
また、漁協と漁業者は、鬼崎漁協の漁業士が参加している幼稚園での料理教室等でノリの栄養について周知を図る、常滑市内小中学校の給食に鬼崎ノリを提供出来るよう給食事業者に働きかける、等の食育活動に積極的に取り組む。
これらの活動により、まずは常滑市内での鬼崎ノリの認知度向上を図ってゆく。
漁業者は、共同加工に参加することにより、これまで個人加工では難しかった製品規格や検査基準を統一し、問屋への信用力向上を図る。また、漁協は、ノリ加工機械メーカーによる加工技術の研修や、ノリ問屋などを講師に招いての品質向上のための講習会の開催などに取り組み、鬼崎ノリの品質向上を図る。これらの取り組みにより流通での評価を高める。
○水産試験場が開発した高温耐性種苗による早期育苗試験を鬼崎漁協のり研究部が実施し、実用性を検討する。高温耐性種苗について、通常より10日程度早く養殖を開始して、通常どおりの作業をした場合に発生する問題点(変形、縮れ等の障害の程度、ノリ葉体基部の発達の程度、病害等の発生状況)を把握する。
JF・団体名 | 鬼崎漁業協同組合 |
住所 | 〒479-0856 愛知県常滑市蒲池町3-97 |
電話番号 | 0569-42-0241 |
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されており、2017年8月現在、北海道から沖縄まで、全国で640を超える浜プランが策定されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。