浜プランの取組地区数
5
8
8
地区
※2024年3月末時点
浜プランの取組地区数
5
8
8
地区
※2024年3月末時点
香川県地域水産業再生委員会 小豆地区部会
香川県地域水産業再生委員会 小豆地区部会
目次
小豆地区部会は小豆島と豊島(てしま)を範囲とし、当部会は6つの漁協(土庄漁業協同組合、四海漁業協同組合、北浦漁業協同組合、唐櫃漁業協同組合、内海漁業協同組合、池田漁業協同組合)をメインに構成されている。
小豆島周辺は、備讃瀬戸(びさんせと)東部から播磨灘西部に接しており、多数の半島と入江があることから好漁場を形成している。豊島も小豆島の西方3.7km に位置する島であり、周辺は小豆島同様に好漁場だ。
小豆地区では、小型機船底びき網、さし網、小型定置網などの漁業が主要な漁業として営まれているほか、ノリ養殖業が漁業生産の中心となっている。しかし、島内の人口は3万人強と少ないため島外に漁獲物を出荷しなければならない他、ノリ養殖においても経営体数の減少や漁業コストの向上により、その経営は非常に厳しいのが現状だ。
小豆地区、小型機船底びき網漁、ノリ養殖漁業
関西方面への共同出荷に際しては、先進地(徳島県)を視察するとともに、関西市場にも直接出向き市場調査を行った。その結果、蓄養の環境改善によるハモの品質向上、ハモにストレスのかからない出荷方法の改善、市場の需要に適した魚体選別の徹底が必要なことが判明した。
2015年から共同出荷は開始した。ハモは漁獲したあと綺麗な海水の中で1日活かしておくことで胃を空にさせ、ストレスを減らせること、また、ハモは身を隠して暮らす習性があることから、2016年には底に身を隠せる塩ビ管を置いた「蓄養水槽」を整備。更に活魚トラックを導入したことで、肉質の良いハモの出荷を可能にした。
蓄養水槽、活魚トラック
「小豆島 島鱧」の普及・PRにおいては、ポスターや法被を作成するとともに、島内外でのイベント等で試食を実施。島内でもハモの加工品(骨切ハモ)に需要があることを確認した当部会は、加工場を新設し、加工事業に踏み切った。選別時に出る擦れハモや、夏以降に魚価が下落するハモを、加工することで付加価値を付け、需要に対応できるようにした。
取り組みの結果、島内における「小豆島 島鱧」の取扱いは、浜プラン取組み開始時は取扱う加工業者や飲食店は0であったところから、加工業者は5社、飲食店は9店舗にまで増加している。また、ハモに関する取組みに賛同する漁協や漁業者は徐々に増加し、集約出荷が可能になった上に、出荷量も大幅に増加。島外への出荷は開始当初より1.9倍に増加している。
ポスター、ロゴ、はっぴ
これらの取組みにより、ハモの単価は2015年には541円/㎏だったものが、2017年には773円/㎏に上昇。漁業所得は基準年の2013年に比べ、50%向上(2017年度)している。
今後の課題として当部会は、「ブランド地魚「島鱧」としての全国的な認知度は未成熟である。継続的な品質向上や徹底した品質管理に努めることはもとより、他の地魚を含め、小豆島地区の特徴を活かした加工品等の商品開発を進め、ハモ食の普及や地魚の認知度の向上に努める必要がある」と述べる。
現在は、小豆島特産品のオリーブとコラボしたオリーブオイルコンフィを開発・販売するなど、オリジナリティのある商品開発を目指している。地域の長所を存分に生かす、特長的な事例といえよう。
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
---|---|---|---|---|---|---|
北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |