明石浦漁業協同組合

兵庫県地域水産業再生委員会 明石浦部会

全国第1号の浜プラン
「明石のまえもん」で浜に賑わいを!

浜プランの策定を契機に大規模な施設整備の構想計画に一歩踏み出すとともに、着実な買取販売・市場開拓により安定的な収入を確保した、兵庫県地域水産業再生委員会 明石浦部会。
今回は、2018年度浜の活力再生プラン優良事例表彰にて全国漁業共済組合連合会会長賞を受賞した、当地区の取組をご紹介!

目次

漁場・魚種に恵まれていた明石浦地域

明石浦漁業協同組合(以下、「JF明石浦」という。)が位置する明石浦地域は、最速で時速約14 ㎞にもなる明石海峡の潮流によってつくり出された複雑な海底地形を有しており、豊富な餌に恵まれている。年間を通じて水揚される魚は実に100種類以上だ。当地域では、小型底曳網漁業、一本釣り漁業、船曳網漁業等の漁船漁業とノリ養殖業が営まれる。速い潮流で鍛えられた魚は身が引き締まり、水揚された魚は「明石のまえもん」と呼ばれ、特に「明石鯛」や「明石だこ」が有名だ。

全国的に資源量が減少している中で、他の地域よりも高品質な魚が取引されていた当地域であったが、魚価の下落幅は大きくなり、その打撃は徐々に大きくなっていった。JF明石浦は全国の浜同様に、とりまく環境の変化に対応し、漁業収入向上対策を練らなければならなかった。

明石鯛(800g以上のものにタグが付けられる)、明石だこ

全国初の浜プランを策定した明石浦地域

さらにJF明石浦では、高潮対策としての防潮堤整備、海苔加工施設等の移転集約、荷捌所付近の利便性向上が長年の課題であった。しかしながら、10億円規模の莫大な構想のため、なかなか着手に至ることができなかった。

そのような中で、この課題解決にマッチしたのが浜プランだ。浜プランの取組方針等を考えることを通じて、漁協として何をなすべきかを改めて整理するとともに、どのような優先順位で施設整備等を進めたらよいのか年次計画を立てた。さらに組合員や職員に対して今後のビジョンを明確に示した。こうして2014年3月、浜プラン全国第1号案件として承認された。

漁の様子

JFが買取り、JF職員が〆る

昼前、JF明石浦の荷捌所には大勢の仲買人が集まりセリが始まる。威勢のよいかけ声のなか、プールのような巨大水槽から運ばれる活魚が次々とセリにかけられる。漁協が自ら買取した魚に、活け締めや神経抜きを施す漁協職員の姿が印象的だ。

JF明石浦は、買参権を活用した買取販売に積極的に取り組んでおり、買取額は水揚げ高約12億円の約4割を占める。また、早くから活け締め・神経抜きに取り組み、最もおいしく食べてもらうにはどうすればよいかを研究し続けている魚のプロでもある。長年の知見で魚種・大きさ・品質・価格などを見極めながら、販売先のニーズに適した魚を供給している。

巨大水槽、活〆、セリの様子

明石浦のサポーターづくりで販路を多様化

JF明石浦の販売先は、地元の飲食店、生協・スーパー、首都圏の飲食店など多岐にわたる。販路の多様化によって、魚価の安定・底上げにつなげるとともに、リスク分散を図っているのだ。

しかし、このような多岐に及ぶ販路も最初から確保できていたわけではない。関西中心だった販売先を、更なる相場の底上げに向けて、約7年前より首都圏市場を積極的に開拓した。強く意識したことは明石浦のサポーターづくりだ。この考えに基づき営業活動したところ徐々に販売先は広がっていき、現在では相場に左右されにくい良好な関係を構築できている。

鮮魚の陳列

連携にも積極的

JF明石浦は、各団体との連携も積極的に行い、漁村の賑わい創出を図っている。

大勢の観光客が新鮮な鮮魚や加工品などを求めて賑わうJR明石駅前の「魚の棚商店街」からほど近いJF明石浦は、明石市観光協会と連携し、一般消費者向けにセリ見学(有料)を提供し、「魚の棚商店街」に軒を連ねる魚屋の魚を購入してもらう仕組みを構築した。

ほか、「明石のり」の認知度を向上するため、明石商工会議所、JAあかし・兵庫南と連携し、認知拡大および販路拡大に勤しんでいる。節分の時期に合わせて明石のりを使ったイベントを開催したところ、小学校や高校で明石のりについて学ぶ機会が設けられるなど、着実に取組の成果が出ている。実は明石は有明と生産量1,2位を争う海苔の生産地であり、「明石鯛」「明石だこ」に続く第3の明石名物として、明石海苔のファン作りに取り組んでいるところだ。

魚の棚商店街、明石海苔

第2期浜プランに向けて

施設整備については、2017年12月より順次、海苔加工場や燃油施設等が稼働し始めている。同年には防波堤整備にも着工している。
また、近年では魚の脂肪測定器等のIT機器を取り入れるなど、先進技術の活用にも積極的だ。

JF明石浦 代表理事組合長 戎本 裕明 氏は、第2期浜プランの展開に向けて、「漁師だけでなく地域住民も巻き込んだ地域づくり、『明石のまえもん』の高い品質のさらなるPRに取組むことなどを考えている。」と語る。

浜プランのトップランナーとして、今後もJF明石浦の取組から目が離せない。

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