浜プランの取組地区数

5 5 4 地区
※2023年3月末時点

浜プラン優良事例表彰

<レポート>
2019年度「浜プラン優良事例表彰」、受賞団体を紹介!

全国の浜プランの中で特に優良な取組を表彰する、『浜の活力再生プラン優良事例表彰』。
水産庁及びJF全漁連では、表彰式及び受賞事例の事例報告等を行う全国推進会議の開催を予定していましたが、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、開催を見送らせていただきました。

今回は、2019年度の本表彰で受賞した8地区の地域水産業再生委員会の浜プランの概要をご紹介いたします!


< 浜の活力再生プラン 優良事例表彰とは? >
 「浜の活力再生プラン 優良事例表彰」は、浜プランの推進において、地域が一体となって漁業収入の向上やコスト削減の取組を行い、漁業所得の向上や漁村地域の活性化に関して、他の範となる顕著な実績をあげた地域水産業再生員会を表彰するものです。

目次

【農林水産大臣賞】
 ・兵庫県地域水産業再生委員会 但馬沖底びき網漁業部会

審査基準に基づき総合的に優れた取組を行っている再生委員会に授与される「農林水産大臣賞」を受賞したのは、兵庫県地域水産業再生委員会 但馬沖底びき網漁業部会。
ズワイガニやホタルイカなどの高鮮度な漁獲物を県内外でPR。消費や販路を拡大して魚価を向上させるとともに、自主的な資源管理を積極的に推進し、漁業経営を改善させました。

(写真 麹の魚醤、魚醤を使用した味付けノリ)
【詳しく見る】但馬の浜プラン

【水産庁長官賞】
 ・岩手県宮古市重茂地区地域水産業再生委員会
 ・串間市東地区地域水産業再生委員会

農林水産大臣賞に準じる総合的に優れた取組を行っている再生委員会に授与される「水産庁長官賞」を受賞したのは、岩手県宮古市重茂地区地域水産業再生委員会と宮崎県の串間市東地区地域水産業再生委員会。
岩手県宮古市重茂地区地域水産業再生委員会では、養殖ワカメのブランド化を進め、組合員向けの情報配信システムを活用した養殖管理体制を構築。東日本大震災からの復興に取り組み、漁業所得の向上を実現しました。
串間市東地区地域水産業再生委員会では、加工品の6次産業化、共同出荷などの魚価向上の取組により漁業所得が増加。地区全体で新規就業者の受け皿としての機能も担い、若手漁業者を呼び込み、地域振興に寄与しました。

(写真 重茂地区:ワカメ、コンブ養殖施設、串間市東地区:定置網体験漁業)
【詳しく見る】重茂地区の浜プラン
【詳しく見る】串間市東地区の浜プラン

【全漁連会長賞】
 ・千葉県地域水産業再生委員会 夷隅地区部会
 ・鳥取県西部地域水産業再生委員会

水産庁各賞に準じる総合的に優れた取組を行っている再生委員会に授与される「全漁連会長賞」を受賞したのは、千葉県地域水産業再生委員会 夷隅地区部会と鳥取県西部地域水産業再生委員会。
千葉県地域水産業再生委員会 夷隅地区部会では、釣りキンメダイのブランド化に向け、厳しい品質管理に取組みました。首都圏などの消費地で、漁業者や漁協、関係者が一体となり、勝浦産の水産物をPR。漁業所得を伸ばし、経営安定につながりました。
鳥取県西部地域水産業再生委員会では、未利用資源のアカモクで6次産業化を推進。販路を開拓し、漁業者や漁協の重要な収入源に。地域の福祉作業施設や加工場と連携し、新たな雇用や収益を生みました。

(写真 夷隅地区:キンメダイ、鳥取県西部:アカモク)
【詳しく見る】夷隅地区の浜プラン
【詳しく見る】鳥取県西部の浜プラン

【農林中金理事長賞】
 ・北九十九島地区地域水産業再生委員会

とりわけ水産加工業、流通業など、地域の周辺産業に貢献する取組を行っている再生委員会に授与される「農林中金理事長賞」を受賞したのは、長崎県の北九十九島地区地域水産業再生委員会。
カタクチイワシの品質向上により煮干しの単価が改善。養殖トラフグのブランド強化では、異業種と連携のうえ市内外でPRを強化。試験販売を継続し、認知度を向上させました。

(写真 煮干しいりこ、トラフグ出荷式)
【詳しく見る】北九十九島地区の浜プラン

【共水連会長賞】
 ・豊浦地区地域水産業再生委員会

とりわけ若手漁業者、高齢漁業者、女性の参加など浜全体の再生・底上げに繋がる取組を行っている再生委員会に授与される「共水連会長賞」を受賞したのは、山口県の豊浦地区地域水産業再生委員会。
垣根を越えて新規就業者の確保・育成対策について、漁業者が時間をかけ合意形成を図りました。その結果、若い漁業者とその家族が増加し、地域の水産業の発展につながりました。

(写真 浜プラン策定協議、ケンサキイカ)
【詳しく見る】豊浦地区の浜プラン

【漁済連会長賞】
 ・佐賀県有明海地区地域水産業再生委員会

とりわけ安定的な収益が確保され、漁業所得の向上に寄与する取組を行っている再生委員会に授与される「漁済連会長賞」を受賞したのは、佐賀県有明海地区地域水産業再生委員会。
日本一の生産を誇る佐賀のりの地域ブランドの強化と販路の拡大、経営の効率化、漁場環境の保全などの取組を実施。ブランド価値を向上させ、目標を上回る漁業収入を達成しました。

(写真 漁協直売所「まえうみ」、ノリ「佐賀丸」3種)
【詳しく見る】佐賀県有明海地区の浜プラン

コメント

選定委員会の委員長を務めた東京海洋大学 工藤准教授によるコメント(要旨)は、以下のとおりです!

【工藤委員長 コメント】

今回表彰される8地区の浜プランは、いずれも全国の模範となる優れた取組です。優れた浜プランには共通点があります。それは以下の3つの総合性が優れているということです。一つ目は、地域全体の漁業・水産資源に対応するといった「対象の総合性」、二つ目に生産から消費に至るまでの課題解決に取り組むといった「取組の総合性」、三つ目に浜を構成している多様な人々が取組に参加するといった「担い手の総合性」です。浜プランにおいてこの3つの総合性が発揮されている地区は、浜の活力が再生している地区といってよいでしょう。
浜プランは、浜の構造改革です。浜の活力を再生するには、浜の主体性、望ましい将来像を描く力、そして協同の力が必要不可欠です。これからも全国の浜において浜プランがさらに発展していくことを期待しています。」

<ダウンロード:浜プラン優良事例集>

今回受賞を果たした再生委員会の浜プランをまとめた事例集を以下からダウンロードいただけます。

「浜の活力再生プラン優良事例表彰」は2020年度も実施いたします!

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