浜プランの取組地区数

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2020年度浜の活力再生プラン優良事例表彰受賞地区をご紹介!

全国の浜プランの中で特に優良な取組を表彰する、『浜の活力再生プラン優良事例表彰』。
水産庁及びJF全漁連では、表彰式及び受賞事例の事例報告等を行う全国推進会議の開催を予定していましたが、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、2019年度に引き続き開催を見合わせました。

今回は、2020年度の本表彰で受賞した8地区の地域水産業再生委員会の浜プランの概要をご紹介いたします!


< 浜の活力再生プラン 優良事例表彰とは? >
 「浜の活力再生プラン 優良事例表彰」は、浜プランの推進において、地域が一体となって漁業収入の向上やコスト削減の取組を行い、漁業所得の向上や漁村地域の活性化に関して、他の範となる顕著な実績をあげた地域水産業再生委員会を表彰するものです。

目次

【農林水産大臣賞】
 ・鈴鹿市漁協地域水産業再生委員会

審査基準に基づき総合的に優れた取組を行っている再生委員会に授与される「農林水産大臣賞」を受賞したのは、鈴鹿市漁協地域水産業再生委員会。
厳格な資源管理で漁獲量や単価が上昇し、漁業収入の向上につなげる。都市型漁業の強みを活かし、販路拡大や魚食普及を推進し、地域の水産業の発展に努めました。

(写真 鈴鹿市漁協の漁師たち、海底耕うんの様子)

鈴鹿市漁業協同組合(三重)

【水産庁長官賞】
 ・古平町・積丹町地区地域水産業再生委員会(積丹町分会)
 ・三宅島地区地域水産業再生委員会

農林水産大臣賞に準じる総合的に優れた取組を行っている再生委員会に授与される「水産庁長官賞」を受賞したのは、古平町・積丹町地区地域水産業再生委員会(積丹町分会)と三宅島地区地域水産業再生委員会。
古平町・積丹町地区地域水産業再生委員会(積丹町分会)では、ウニの餌となるコンブの生産体制を確立し、未利用ウニの海中肥育、陸上畜養などを実用化。ウニ殻を利活用したコンブの生育促進にも成功し、藻場の再生やウニの増産にも効果を上げました。
三宅島地区地域水産業再生委員会では、漁業者の高齢化と後継者不足に危機感を抱いた地域が立ち上がりました。新規就業者を確保育成するための総合的な仕組みを作り、漁村の活性化に結びつけました。

(写真 古平町・積丹町地区:海中篭肥育試験の様子、三宅島地区:短期研修(操業体験))

東しゃこたん漁業協同組合(北海道)

三宅島漁業協同組合(東京)

【全漁連会長賞】
 ・野田地区地域水産業再生委員会
 ・千葉県地域水産業再生委員会 安房地区部会

水産庁各賞に準じる総合的に優れた取組を行っている再生委員会に授与される「全漁連会長賞」を受賞したのは、野田地区地域水産業再生委員会と千葉県地域水産業再生委員会 安房地区部会。
野田地区地域水産業再生委員会では、震災の津波による壊滅的な被害から、漁業生産を順調に回復させました。養殖ホタテガイを始めとする漁獲物のブランド化に団結して取り組み、地域の水産業の発展につなげました。
千葉県地域水産業再生委員会 安房地区部会では、県内で初となる改革型の定置網とあわせて最新の漁船を導入。市場流通の改善にも取り組み、コストの削減と付加価値の向上を実現し、地域の水産業の発展に貢献しました。

(写真 野田地区:荒海ホタテ、安房地区部会:東安房漁協タグつき水産物)

野田村漁業協同組合(岩手)

東安房漁業協同組合(千倉・和田地区)(千葉)

【農林中金理事長賞】
 ・対馬地区地域水産業再生委員会

とりわけ水産加工業、流通業など、地域の周辺産業に貢献する取組を行っている再生委員会に授与される「農林中金理事長賞」を受賞したのは、長崎県の対馬地区地域水産業再生委員会。
磯焼けが進むなか、植食性魚類のイスズミを効果的に駆除する方法を確立しました。そして、食用利用の可能性を大きく開き、持続的な藻場保全活動を推進しました。

(写真 刺し網によるイスズミ漁獲、Fish-1グランプリ受賞の様子)

美津島町漁業協同組合(長崎)

【共水連会長賞】
 ・吉佐地区地域水産業再生委員会

とりわけ若手漁業者、高齢漁業者、女性の参加など浜全体の再生・底上げに繋がる取組を行っている再生委員会に授与される「共水連会長賞」を受賞したのは、山口県の吉佐地区地域水産業再生委員会。
行政や地域おこし協力隊と連携し、地元の象徴であった漁師料理を復活さました。漁協の直売所をオープンし、高品質な水産物を販売することで、漁業者の収入増加につなげました。

【漁済連会長賞】
 ・大浜地区地域水産業再生委員会

とりわけ安定的な収益が確保され、漁業所得の向上に寄与する取組を行っている再生委員会に授与される「漁済連会長賞」を受賞したのは、大浜地区地域水産業再生委員会。
漁協と生産者がノリの共同乾燥加工施設を運営し、海上と陸上の作業を分業化しました。労働時間の短縮や作業の効率化などにより、生産規模の拡大を実現しました。

(写真 システム船による網洗浄、熊本県唯一の漁協による共同乾燥施設)

大浜漁業協同組合(熊本)

コメント

選定委員会の委員長を務めた東京海洋大学 工藤准教授によるコメントは(要旨)、以下のとおりです!

【工藤委員長 コメント】

今回、農林水産大臣賞は鈴鹿市漁協、水産庁長官省は古平町・積丹町地区(積丹町分会)と三宅島地区、全漁連会長賞は野田地区と千葉県安房地区部会が受賞されました。これら地域水産業再生委員会の取組は、地域全体の漁業・水産資源に対応するといった「対象の総合性」、生産から消費に至るまでの課題解決に取り組むといった「取組の総合性」、浜を構成している多様な人々が取組に参加するといった「担い手の総合性」の3つの総合性に優れていました。これらが発揮されている地区は、浜の活力が再生している地区といってよいでしょう。
それから今回は地域の特色を活かした取組が目立ちました。磯焼けの一因である植食性魚類のイスズミの駆除と有効利用に取り組んだ対馬地区は農林中金理事長賞、女性部が伝統料理である海老味噌の復活に取り組んだ吉佐地区は共水連会長賞、陸上作業の分業化とシステム船の導入によってノリ養殖の規模拡大と生産性向上を実現した大浜地区は漁済連会長賞を受賞されています。これらの取組からは、地域の特色を活かすには浜の活力が必要であることがわかります。
浜プランは、浜の構造改革です。浜の活力を再生するには、浜の主体性、望ましい将来像を描く力、そして協同の力が必要不可欠です。これからも全国の浜において浜プランがさらに発展していくことを期待しています。

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