浜プラン優良事例表彰

2024年度浜の活力再生プラン優良事例表彰式を開催!

浜プランに基づく漁業所得向上の取組の一層の充実を図るため、全国の浜プランの中で特に優良な取組を表彰する『浜の活力再生プラン優良事例表彰』。選定委員会における厳正な審査を経て選定された受賞団体8地区の功績をたたえるため、2025年3月10日(月)に農林水産省本館 講堂にて表彰式を開催しました。
当日は、滝波 宏文 農林水産副大臣、森 健 水産庁長官、各団体の代表者もご出席され、各賞を受賞した地域水産業再生委員会に対し表彰状の授与が行われました。

表彰式での様子と、それぞれの再生委員会の浜プランの概要をご紹介いたします!

<浜の活力再生プラン 優良事例表彰とは?>
「浜の活力再生プラン 優良事例表彰」は、浜プランの推進において、地域が一体となって漁業収入の向上やコスト削減の取組を行い、漁業所得の向上や漁村地域の活性化に関して、他の範となる顕著な実績をあげた地域水産業再生委員会を表彰するものです。毎年、JF全漁連と水産庁の共催により実施しています。

目次

【農林水産大臣賞】
 ・高浜地区地域水産業再生委員会

総合的に最も優れた取組を行っている再生委員会に授与される「農林水産大臣賞」を受賞したのは、福井県の高浜地区地域水産業再生委員会。海岸部を含めた市街地を対象にした「コンパクトシティ」構想の下、観光と漁業を核とした6次産業化の振興や、加工品開発による低・未利用資源の付加価値化、6次産業施設における直販・レストラン事業と連携した漁獲物の単価向上などにより地域水産物の認知度向上に貢献しました。

(写真 左:若狭高浜漁業協同組合 大黒代表理事組合長、右:農林水産省 滝波農林水産副大臣)

【水産庁長官賞】
・宍道湖流域水産業再生委員会
・大阪市地区地域水産業再生委員会

農林水産大臣賞に準じる総合的に優れた取組を行っている再生委員会に授与される「水産庁長官賞」を受賞したのは島根県の宍道湖流域水産業再生委員会と大阪府の大阪市地区地域水産業再生委員会。

宍道湖流域水産業再生委員会は貧酸素化や水草類の異常繁茂等の影響を受ける中で、漁場環境の保全や資源管理に取り組み、シジミ資源量の安定化を実現するとともに、直売所に加えオンラインショップでの販売とSNSを活用した情報発信を組み合わせることで販売金額を伸ばし、地元の関連産業の発展にも貢献しました。

大阪市地区地域水産業再生委員会では、淀川河口域での水路掘削や干潟造成等により環境改善を実施し生産性向上に取り組んだほか、淀川産水産物を使用した加工品開発などで地域水産物のイメージ向上を実現し、地元の発展を牽引しました。

(写真 左:宍道湖漁業協同組合 渡部代表理事組合長、中:大阪市漁業協同組合 北村代表理事組合長、右:水産庁 森長官)

【全漁連会長賞】
・父島地域水産業再生委員会
・佐伯地区地域水産業再生委員会上入津地区作業部会

水産庁長官賞に準じる総合的に優れた取組を行っている再生委員会に授与される「全漁連会長賞」を受賞したのは、東京都の父島地域水産業再生委員会と大分県の佐伯地区地域水産業再生委員会上入津地区作業部会。

父島地域水産業再生委員会では、離島という流通上不利条件を抱えるの中で、木箱の再利用によるコスト削減に取り組んだほか、船上活〆による高鮮度化の処理方法の開発等により付加価値向上を図り、魚価の向上や収益改善を実現しました。

佐伯地区地域水産業再生委員会上入津地区作業部会では、ICT機器を積極的に活用した赤潮調査と漁業者への迅速な情報提供により赤潮被害の軽減を図るとともに、手動〆機や加工センターの整備による養殖魚の品質向上を通じたブランド化に取り組み、スマート水産業の推進による養殖業の安定的な生産と高品質化を実現しました。

(写真 左:東京都漁業協同組合連合会 塚本専務理事、中:大分県漁業協同組合 上入津支店 鳴海地区漁業運営委員長、
右:全国漁業協同組合連合会 坂本代表理事会長)

【農林中金理事長賞】
 ・島野浦地区地域水産業再生委員会

水産加工業、流通業など、地域の周辺産業に貢献する取組を行っている再生委員会に授与される「農林中金理事長賞」を受賞したのは、宮崎県の島野浦地区地域水産業再生委員会。加工業者などと協力し、養殖業者自らが郷土料理を基にした加工品開発や消費者への直接販売などを行うことにより、高付加価値化や魚価の向上を実現しました。

(写真 左:島浦町漁業協同組合 岩田代表理事組合長、右:農林中央金庫 八木代表理事兼常務執行役員)

【共水連会長賞】
 ・秋田県地域水産業再生委員会 (八峰町地区)

若手漁業者、高齢漁業者、女性の参加など浜全体の再生・底上げに繋がる取組を行っている再生委員会に授与される「共水連会長賞」を受賞したのは、秋田県の秋田県地域水産業再生委員会 (八峰町地区)。地理的に養殖事業が困難とされる秋田県において、初めてとなるサーモン養殖に挑戦し冬場の新たな所得源となる可能性を切り開くとともに、地域の新たな特産品としての価値を生み出しました。

(写真 左:秋田県漁業協同組合 北部支所 門脇支所長、右:全国共済水産業協同組合連合会 楠田代表理事会長)

【漁済連会長賞】
 ・松阪地域水産業再生委員会

安定的な収益が確保され、漁業所得の向上に寄与する取組を行っている再生委員会に授与される「漁済連会長賞」を受賞したのは、三重県の松阪地域水産業再生委員会。海洋環境の変化に直面するなか、地域資源であるハマグリの資源管理やIoT機器を活用した養殖管理により、アオノリの安定的な生産体制の維持と地域資源の回復を実現しました。

(写真 左:松阪漁業協同組合 友岡参事、右:全国漁業共済組合連合会 井上常務理事)

受賞者挨拶

今回受賞された再生委員会を代表して、若狭高浜漁業協同組合 大黒代表理事組合長より受賞者挨拶があり、「JF及び漁業者が一丸となり、漁獲物の付加価値向上やイベント開催、商品開発などの取組を約10年かけて進めてきた。また、若手漁業者の移住者も増えており、漁村が元気づいていることを実感している。引き続き関係者が一体となって漁業者の更なる所得向上や元気な浜を目指して取り組んでいきたい。」と謝意を述べました。

若狭高浜漁業協同組合 大黒代表理事組合長による受賞地区代表者挨拶

講評

選定委員会の委員長を務めた東京海洋大学 工藤貴史教授からは、受賞地区の取組内容の優れた点を紹介し、「浜プランは、浜の構造改革であり、浜の活力を再生するには、浜の主体性、望ましい将来像を描く力、そして協同の力が必要不可欠。これからも全国の浜において浜プランがさらに発展していくことを期待する。」と講評を行い、表彰式を締めくくりました。

受賞された再生委員会の取組内容、及び工藤委員長によるコメントをまとめた事例集を以下からダウンロードいただけます。

2024年度浜の活力再生プラン優良事例表彰事例集

選定委員長 東京海洋大学 工藤貴史教授による講評

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