浜プランの取組地区数
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地区
※2023年3月末時点
浜プランの取組地区数
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※2023年3月末時点
・ さけ定置網漁業者(7経営体)と漁協は、色合いや魚体サイズ、重量など一定要件を満たす良質な銀系ザケについて、洋上での迅速な活締めにより大樹産「活〆鮭」として差別化を図っているものの、船上での選別および活締め作業、その後の保管体制等を考慮すると取扱量に限界があり、このため、要件を満たす良質な銀系サケがどんなに漁獲されても1日に数尾の出荷にとどまっていた経緯がある。 このため、来漁期開始前から全船上作業員を対象とした研修会などを実施し、船上での良質銀系ザケの選別行程において目視による選別作業訓練や活締め技術の向上に努める。更に、これまで秋さけで行っていた船上活〆を、第2期浜プランにおいては春さけ定置網漁業で漁獲するトキシラズでも新たに取組み、活〆タグを付して差別化を図り、魚価向上に努める。また、活締め後出荷までの運搬について、新たに活締め用・血抜き用・低温保管(5℃以下)用タンクを別々に設置し鮮度保持・衛生管理の徹底化を図ることによって、漁獲物を高い鮮度で均一化できる出荷体制の構築を図ることで課題の解消に努める。
また、サケの増産に努めるべく、老朽化が顕著なふ化飼育施設(更生収容場、小紋別第2収容場、大樹事業所)の整備を行い健苗育成に取り組むとともに、新たに前浜におけるプランクトンや水温などの水質環境のモニタリング調査を行うことで適切な放流時期・放流場所での放流に努め、生残率や回帰率の向上を図る。
さらに、関係団体と連携し、植樹活動や海岸の流木撤去作業を実施することで漁場環境の保全を図るとともに、海岸・河川のパトロールを実施し密漁防止対策にも取組む。
・ ししゃも桁網漁業者(12経営体)は、釧路水産試験場に協力して行う資源調査の結果を基に、漁業者自らが上限漁獲量を設定するなど、計画的な操業に努めることにより資源管理を徹底する。また、河川遡上時期を特定のうえ、遡上開始時には自主的に操業の終了措置を講じることで、産卵親魚の保護と遡上の促進を図る。
さらに、シシャモは北海道太平洋沿岸でのみ漁獲される固有種であり、十勝は主要な生産地であるが、その知名度は依然として低い。このため、十勝管内の漁業者で組織する「十勝管内ししゃも漁業調整協議会」が中心となり販売戦略を定め、道内都市での販売促進活動を実施し、更には首都圏等での販売促進活動を進め、知名度向上並びに消費拡大に努めることで、魚価の向上を図る。
・ さけ定置漁業者(7経営体)、ししゃも桁網漁業者(12経営体)、小型定置網漁業者(1経営体)と漁協は、本漁業で漁獲されるマツカワについて、関係漁業団体と町村で構成する「十勝管内栽培漁業推進協議会」と連携して種苗放流に取り組む。また漁業者単独でも自主的に漁獲サイズ規制などを通じて生産量の安定を図るとともに、消費者ニーズに基づき、「活魚」での出荷量を増やすべく、第1期浜プランで導入した漁獲から運搬、出荷に至るまでの水温管理や海水殺菌装置による高鮮度保持に努める。
・ ほっき桁網漁業者(13経営体)は、資源調査の実施により資源量を把握し適正な漁獲管理に努めるとともに、自ら漁場耕運を行い生産力が低下した漁場の再生と更なる生息地域拡大に取組む。また、独自に禁漁期を設定した区域への稚貝・未成貝移植を行うとともに、漁獲時には殻長制限等を設定することにより資源の維持・増加を図る。
加えて、市場動向に応じた出荷調整を行うための蓄養水槽と殺菌海水を活用した「活」保管に取り組むべく、第1期浜プランの取組で整備した施設を活用して魚価の向上を図る。
また、当該漁業における課題として、漁獲サイズが要因となり他地域との価格差があることから、その改善策として、自ら進めている殻長制限の基準を引き上げ漁獲物の大型化に努めることで価格向上を図る。
・ えぞばいつぶ漁業者(16経営体)と漁協は、これまで取り組んできた卵塊放流について生残率の向上に向け課題を整理しつつ対策を行うとともに、その効果を高めるため禁漁期や資源調査に基づく許容漁獲量の設定による資源管理の徹底を図る。
また、船上選別器の目合いを拡大し選別することで、未成貝を保護し再生産を促進させるとともに、漁獲サイズの大型化を図る。さらに、蓄養水槽と殺菌海水の活用により、「活」保管を行い、つぶ貝における砂抜きや洗浄のほか、消費地市場の市況を勘案して引き続き出荷調整に取り組む。
・ たこ漁業者(14経営体)、つぶ籠漁業者(4経営体)、助宗刺網漁業(1経営体)と漁協は、北海道に対して、魚礁や産卵礁の整備促進について要請するとともに、自主的に漁獲量制限や体長制限を実施することにより事業効果を高め、資源増大の促進に取り組む。
さらに、蓄養水槽と殺菌海水の活用により、「活」保管を行い、つぶ貝における砂抜きや洗浄のほか、消費地市場の市況を勘案して引き続き出荷調整に取り組む。。
・ 毛がに籠漁業者(16経営体)と漁協は、第2期浜プランから新たに研究機関等の協力により資源量調査を実施の上、漁業者自ら上限漁獲量を設定し、計画的な操業により資源管理を徹底するとともに、限られた漁獲量の中で、小ガニ(甲長9cm未満)については、極力、海中還元することで翌年以降の漁獲対象資源を増加させるとともに、単価の高い大中ガニ(甲長9cm以上)の漁獲割合を増加させ水揚げ金額の向上を図る。また、漁獲後の鮮度保持対策として、冬場の凍結防止のために暖房等によって温度低下を防ぎ温度管理を徹底することで、鮮度と品質の維持向上と魚価の向上に取り組む。
・ しじみ漁業者(56経営体)と漁協は、生花苗沼で漁獲されるシジミについて、大きなもので5センチメートルにも成長する「巨大」シジミで全国的にも珍しいものの、依然としてその知名度がまだ低く大半が地元消費にとどまっていることから、ふるさと納税の返礼品等の新たな PR 活動やブランド化等に向けた取組について販売戦略を定め、全国での知名度アップに努め、付加価値向上と販路拡大を図る。
加えて、当沼は大半が森林や葦原の湿原などに覆われ腐植質を多量に含むなど巨大シジミの育成に適していると言われているため、漁具の使用の制限(手堀りによる漁獲)を行い環境保全に努めるとともに分散放流を行うなど密度管理(北海道内水面水産試験場の調査を踏まえ、必要に応じて高成長を促すため稚貝移植を通じた資源管理とモニタリング調査による資源把握を行う)に努める。
・ 全漁業者と漁協は、水産物の流通・消費拡大を推進するため帯広物産協会に加盟し、帯広地方卸売市場や外食産業・食品加工業との連携を図ることにより、地元水産物の販路拡大に向けた情報を発信・共有に努める。
・ 全漁業者、漁協と町は、第2期浜プランから新たにふるさと納税の返礼品として地元水産物を活用し、消費拡大や町の魅力をPRする。
JF・団体名 | 大樹漁業協同組合 |
住所 | 〒089-2116 北海道広尾郡大樹町字浜大樹322 |
電話番号 | 01558-7-7801 |
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されており、2017年8月現在、北海道から沖縄まで、全国で640を超える浜プランが策定されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |