浜プランの取組地区数※2024年3月末時点
5 8 8 地区 ※2024年3月末時点
ウニ漁業者125名は、ウニ・ノナ漁場における害敵駆除(ヒトデ等)を自主
的に行う。(必要に応じ藻場回復を目的とした岩盤清掃などの対策を実施)
とともに、その後のモニタリングを実施する。ウニ・ノナが高密度となって
いる漁場にあっては、上述の対策により回復した漁場を含め海藻等餌料の豊
富な好漁場への移植放流を実施することで、ウニの成長を促進させ、効率的
な資源増大を図る。なお、ウニ移植を行った藻場海域でも、ウニの過密化に
より藻場が荒廃しないよう、適正な密度管理に努める。また、集荷所におい
て計画的に殺菌海水装置を整備し、ウニ保管時に使用する冷却した殺菌海水
を使用することにより、衛生管理と鮮度保持等の徹底を今後も継続する。
天然のリシリコンブは、通常、1年生コンブが生長し過ぎる前に海水温の低
下により葉枯れし2年生コンブに再生(移行)されることで漁獲対象となる
が、近年の海水温の上昇等により2年生コンブへの移行時期が遅れ1年生コン
ブが大きく生長し過ぎるため2年生コンブに再生(移行)せず、最終的に枯れ
てしまい、漁獲対象とならないことが問題となっている。また、海水温が17
度を超えると昆布の葉に混入するネクイムシが多くみられ混入した昆布につ
いては等級を下げざる負えない状況になっている。このことから、コンブ漁
業者125名と漁協は、試験研究機関や水産技術普及指導所の協力を得て水温の
ほか高水温下においても繁茂しているリシリコンブ漁場の生息状況等の調査
を実施することで、今後も調査結果を踏まえ、例えば高水温にも適応可能な
母藻の散布などの対策について実証実験等を進める。一方、漁業者と漁協は
コンブ漁場の拡大を図るべく、モニタリング調査を計画的に実施し、必要に
応じ、荒廃漁場や疲弊した漁場の雑海藻駆除や実証試験を図ることで今後の
資源増大を図る。
養殖コンブについても、1年生コンブが大きく生長すると2年生コンブへの
再生率が低下することから、コンブ養殖漁業者3名と漁協は、採苗後の養成綱
を2ヶ月ほど通常の水深(4~5m)より深く(15m)垂下させ、生育途中の新
葉部をカットする擦り作業等を行うことにより1年生コンブの成長を制御して
いる。しかし、近年の海水温の上昇により2年生コンブへの移行時期が遅れる
ため、採苗ができない、1年生コンブが生長しすぎることにより種綱から脱落
してしまうなどの被害が増えていることから、試験研究機関や水産技術普及
指導所の協力を得て、水温やリシリコンブの生育状況調査を実施することと
し、今後は調査結果を踏まえ、実証実験を進める。また、これまで各漁業者
個人の経験により判断していた採苗時期や擦り作業の適期(適温)の設定等
について、養殖事業の効率かつ確実な実施が行えるよう、水産技術普及指導
所と連携しながら共同で知見収集し、マニュアル化に取り組む。
ホッケ刺網漁業者13名は、北海道庁に対し魚礁の整備促進を要請するとと
もに、日揚げ操業を原則として、必要に応じ漁船の魚倉に施氷し運搬するな
ど冷却効果を高めることで、水揚げ後出荷までの低温管理(5℃)を徹底す
る。加えて、消費地飲食店等のニーズを受け、各サイズ区分ごとの大きさの
バラツキや出荷漁業者間の不統一を解消するため、ホッケ選別機を使用し、
品質やサイズの選別作業の統一化を図り、今後も付加価値向上に取り組む。
ナマコ桁曳漁業者11名と漁協は、水産技術普及指導所の協力のもと資源量
調査を実施し、調査結果を基に漁獲許容量の設定や稚ナマコの保護のため独
自に採捕自粛サイズ(120グラム)の設定と再放流、産卵期の自主禁漁期間の
設定などに取り組むとともに、沖合での選別を徹底することで、傷ナマコの
再放流により出荷するナマコの品質向上に取り組む。また、漁獲したナマコ
は素早く選別し、十分に施氷を行うなど鮮度保持に努める。さらに、将来に
わたり安定した漁獲量の確保を図るため、漁港内のナマコ採捕を禁止し、親
ナマコ保護、また、人工種苗の放流試験を継続し再生を期待する。
漁協と全漁業者は全ての漁業種類を対象に水揚げ後出荷までの衛生管理や
低温管理を徹底するための殺菌海水装置の整備や施氷方法の統一化を図る事
によって、漁獲物を高鮮度で統一できる体制を構築するとともに、離島であ
るが故の流通体制の不利性を克服し高鮮度の魚介類を用いた新たな加工品開
発に努める。また、礼文島が「最北端の島」で毎年多くの観光客が訪れるこ
とから漁協自営のレストラン、ネット販売において高鮮度の魚介類を観光客
等に提供していくなどにより地理的な不利を克服し知名度向上と販路拡大を
目指す。
全漁業者及び漁協と礼文町は商工関係団体等と連携し、「礼文町産地協議
会」が定める販売戦略に基づき、町内や道外で開催されるイベントにおいて宣
伝活動を行うとともに、消費者との交流型事業を通して、安心で安全な水産
物を生産していることをアピールし、消費者に信頼される産地として魅力を
発信していくことにより、水産物の付加価値向上と魚価の向上を目指す。
漁協と礼文町が主体となって設立した「礼文地域漁業就業者対策協議会」
において、新規就業者対策の検討を行う。また、北海道漁業就業支援協議会
等が開催する就業支援フェアに参加し、担い手確保に努める。
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |