浜プランの取組地区数

5 8 8 地区
※2024年3月末時点

北海道|船泊地区地域水産業再生委員会

船泊漁業協同組合

取組概要

  • コンブ・ウニ・ホッケの資源増大
  • 魚食普及の推進による消費・流通の拡大とPR

取組タイプ

  • 鮮度管理の徹底
  • 衛生管理の徹底
  • 藻場・干潟など水産動植物の生育の場の造成
  • 有害生物の駆除や磯焼け対策
  • サイズ選別の徹底

魚種

  • コンブ
  • ウニ
  • ホッケ
  • ナマコ

浜プランの取組内容

ウニ漁業者184名は、ウニ・ノナ漁場における害敵駆除(ヒトデ等)を自主
的に行う(必要に応じ藻場回復を目的とした岩盤清掃などの対策を実施)と
ともに、その後のモニタリングを実施する。ウニ・ノナが高密度となってい
る漁場にあっては、上述の対策により回復した漁場を含め海藻等餌資源の豊
富な好漁場への移植放流を実施することで、ウニの成長を促進し、効率的な
資源増大を図る。なお、ウニ移植を行った藻場海域でも、ウニの過密化によ
り藻場が荒廃しないよう、適正な密度管理に努める。また、集荷所において
海水殺菌装置を整備し、冷却した殺菌海水をウニ保管時に使用してHACCP認定
工場にて処理することで、衛生管理と鮮度保持等の徹底を図る。
天然のリシリコンブは、通常、1年生コンブが生長し過ぎる前に海水温の低
下により葉枯れし2年生コンブに再生(移行)されることで漁獲対象となる
が、近年の海水温の上昇等により2年生コンブへの移行時期が遅れ1年生コン
ブが大きく生長し過ぎるため2年生コンブに移行せず、最終的に枯れてしま
い、漁獲対象とならないことが問題となっている。また、海水温が17度を超
えると、コンブの葉にネクイムシが多く混入し、等級を下げざるを得ない状
況になっている。このことから、コンブ漁業者184名と漁協は、試験研究機関
や水産技術普及指導所の協力を得て水温調査のほか高水温下においても繁茂
しているリシリコンブ漁場の生息状況等の調査を実施することで、その調査
結果を踏まえ、高水温にも適応可能な母藻の散布などの対策について実証実
験等を進める。一方、漁業者と漁協はコンブ漁場の拡大を図るべく、北海道
に対し囲い礁の整備促進を要請するとともに、モニタリング調査を計画的に
実施し、必要に応じ、荒廃漁場や疲弊した漁場の雑海藻駆除や実証試験を図
ることで今後の資源増大を図る。
養殖コンブについても、1年生コンブが大きく生長すると2年生コンブへの
再生率が低下することから、コンブ養殖漁業者12名と漁協は、採苗後の養成
綱を2ヶ月ほど通常の水深(4~5m)より深く(15m)垂下させ、生育途中の
新葉部をカットする擦り作業等を行うことにより1年生コンブの生長を制御し
ている。しかし、近年の海水温の上昇により2年生コンブへの移行時期が遅れ
るため採苗ができない、または1年生コンブが生長しすぎることにより種綱か
ら脱落してしまうなどの被害が増えていることから、試験研究機関や水産技
術普及指導所の協力を得て、水温やリシリコンブの生育状況調査を実施する
こととし、その調査結果を踏まえ、実証実験を進める。また、これまで各漁
業者個人の経験により判断していた採苗時期や擦り作業の適期(適温)の設
定等について、養殖事業の効率かつ確実な実施が行えるよう、水産技術普及
指導所と連携しながら共同で知見を収集し、マニュアル化に取り組む。
ホッケ刺網漁業者42名は、北海道庁に対し魚礁の整備促進を要請するとと
もに、日揚げ操業を原則として、必要に応じ漁船の魚倉に施氷し運搬するな
ど冷却効果を高めることで、水揚げ後出荷までの低温管理(5℃)を徹底す
る。加えて、消費地飲食店等のニーズを受け、各サイズ区分の大きさのバラ
ツキや出荷漁業者間の不統一を解消するため、ホッケ選別機を使用し、品質
やサイズの統一化を図り、今後も付加価値向上に取り組む。
ナマコ桁曳網漁業者17名と漁協は、水産技術普及指導所の協力のもと資源
量調査を実施し、調査結果を基に漁獲許容量の設定や稚ナマコの保護のため
独自に採捕自粛サイズ(120グラム)の設定と再放流、産卵期の自主禁漁期間
の設定などに取り組むとともに、沖合での選別を徹底することで、傷ナマコ
の再放流により出荷するナマコの品質向上に取り組む。また、漁獲したナマ
コは保冷ボックスに素早く収納し、十分に施氷を行うなど鮮度保持に努め
る。さらに、将来にわたり安定した漁獲量の確保を図るため、漁港内におけ
るナマコ浮遊幼生の天然種苗施設の増設を行い人工種苗の放流試験を継続す
る。
全漁業者と漁協は、全ての漁業種類を対象に水揚げ後出荷までの衛生管理
や低温管理を徹底するため海水殺菌装置の整備や施氷方法の統一化を図り、
漁獲物を高鮮度出荷できる統一的な出荷体制を構築する。加えて、離島であ
るが故の流通体制における不利を克服し高鮮度の魚介類を用いた新たな加工
品開発に努める。また、礼文島は「最北端の島」であり、毎年多くの観光客
が訪れることから、漁協自営の食堂・パンフレット販売・ネット販売におい
て販路拡大を目指す。
全漁業者及び漁協と礼文町は、商工関係団体等と連携し、「礼文町水産加
工振興協議会」が定める販売戦略に基づき、町内や道外で開催されるイベン
トにおいて宣伝活動を行うとともに、消費者との交流事業を通して、安心で
安全な水産物を生産していることをアピールし、消費者に信頼される産地と
して魅力を発信していくとこにより、水産物の付加価値向上と魚価の向上を
目指す。


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※上記は、水産庁ホームページに掲載の浜プランの内容を転載しています。

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