浜プランの取組地区数※2024年3月末時点
5 6 3 地区 ※2025年3月末時点
・漁協と全漁業者は、鹿部漁港における衛生管理強化のため、鹿部町水産物衛
生管理推進委員会と連携し、鹿部漁港市場衛生品質管理マニュアルを定め、作
業動線の輻輳化を改善することで水産物の細菌リスクの低減を図るととも
に、市場関係者の衛生意識の向上を図るため、衛生品質管理講習会を開催す
る。また、市場施設内の床面や排水溝などグレーチング等の改修整備を検討し
安全性及び衛生管理の向上に努める。加えて、各々の漁業種類毎に以下の取組
を進める。
・ホタテ養殖漁業者(84 名)と漁協は、中国など海外からの需要の高まりや
国内消費者の安全意識の高まり等を踏まえ、漁獲物への細菌混入リスクの低
減に努めるため、ホタテ貝の水揚げに際し殺菌海水を使用した貝殻洗浄に努
めるとともに、運搬時には木枡に代えて、洗浄が容易で衛生面で優れているプ
ラスチックコンテナを順次導入する。このことによって、品質、鮮度保持、衛
生管理が向上し、東南アジア向け輸出の拡大や付加価値向上を図る。加えて、
徹底した選別による出荷サイズの統一にも努める。
また、ヨーロッパザラボヤの異常付着による養殖ホタテ貝の生育阻害や脱
落を減少させるため、必要な機器を順次導入し可能な限り駆除に努めるとと
もに、近年問題となっている稚貝の育成不良、成貝の斃死の原因究明を関係機
関と協力して進め、生産量の回復を目指す。
さらに、鹿部町は、鹿部町漁業系廃棄物リサイクル施設において行っている
廃棄物の適正な処理と肥料の製造について、ヨーロッパザラボヤの大量付着
により施設での処理が間に合わない状況となっていることから、ザラボヤの
処理量を増大できるよう、今後の施設の拡張整備などについて検討する。
・刺網漁業(110 名)、定置網漁業者(10 名)と漁協は、北海道栽培漁業振興
公社や関係漁業者等で構成される「えりも以西栽培漁業推進協議会」の協力を
得て、マツカワ種苗25,000尾を放流し、資源の増大を図る。加えて、仲
買等流通業者や加工業者等からの要請に応えるためマツカワ、サケ、マグロ、
ブリ、スケトウダラなどを対象に、プラスチックコンテナと殺菌海水氷を使用
した、出荷までの低温管理(5℃以下)の徹底と衛生的な流通体制の構築を検
討(1 年目と2年目)する。
また漁協は、消費地販売店等からの需要に応じ、活〆販売拡大のため、関係
漁業者への活〆講習会を開催するほか、上記取組みなどの推進のため、漁業者
へ氷を安定供給できるよう、使用する氷の種類や必要量などの調査を行い、必
要に応じて製氷機の整備を検討する。関係漁業者は、漁船への氷の供給方法な
どを統一し、鮮度の均一化に取り組むとともに、タコ漁業者(75)を含め、活
魚水槽を活用した活保管と消費地のニーズに合わせた出荷調整に取り組み付
加価値向上を図る。
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・採介藻漁業者(223 名)、刺網漁業(110 名)、桁網漁業者(31 名)と漁協
は、鹿部町とともに、底質が砂地のために海藻の繁茂に適さない海域におい
て、コンブ、ソイ類、アイナメなどの水産資源の生産力の向上や保護などを目
的に囲い礁を設置し、水産資源の維持増大に努め、水産技術普及指導所等の協
力を得て、囲い礁の最適構造や設置場所の適地選定などについて検討し水産
資源の早期回復を目指す。また、採介藻漁業者(223 名)は、漁協及び鹿部町
と連携し、コンブ漁場の繁茂状況や環境状況などについてモニタリングを行
い、その結果を基に、必要に応じて岩盤清掃による雑海藻駆除や転石、鉄鋼ス
ラグによる腐植酸鉄等の供給及び囲い礁・漁礁や立て縄礁の設置により、コン
ブ資源の増大に努める。
・採介藻漁業(223 名)、桁網漁業者(31 名)と漁協は、鹿部町、北海道庁、
水産技術普及指導所、水産試験場等の協力を得て、ナマコ種苗生産技術の取得
に努めナマコの種苗生産と放流を実施するとともに、放流区域の一部をナマ
コの産卵育成場として、一定期間採捕禁止区域に設定することで資源の維持
増大を図る。また、ナマコ種苗を中間育成場に放流し、追跡調査を行うことで
成長や生残、拡散状況などを把握し、放流効果の検証を行い、放流技術と中間
育成技術の向上に努める。そして、ナマコ・コンブ種苗の安定生産と効率化の
向上を図る為、新たな種苗生産施設の整備の計画策定を行う
・コンブ養殖漁業者(21 名)は、漁協および水産技術普及指導所と連携し、
沖出し後のコンブ種苗が適正に成長できるよう、これまで個々の経験により
取り組んできた間引きや浮上作業について、共同で知見を収集し、マニュアル
化するとともに、対策を徹底することで、コンブの品質向上および増産に取り
組む。
・噴火湾では、ホタテ貝へい死は約 5 年毎に発生していたが、ここ数年は毎年
発生し漁家の生産量も過去最低を記録し漁家経営が危機的状況にある。その
対策が急務とされており、そのため当該漁業協同組合も加入している噴火湾
ホタテ生産振興協議会(噴火湾全域の漁業協同組合が加入している)が計画す
る漁場環境保全対策の実施とへい死対策として漁場観測ブイを全域に設置
し、噴火湾湾口からの影響や湾内の海洋環境の変化を観測し、これにより得ら
れた情報を漁業者に提供し、そのデータを元に漁業者が漁場環境保全を図り、
より高度な養殖管理を行いへい死率を低減し、安定的な生産を図り漁家経営
の安定化を図るための計画を立案する。
・町内居住者の漁業後継者で、北海道立漁業研修所に入所が認められた者に対
し、鹿部町より修学助成金を交付し、漁業後継者としての安定促進を図る。ま
た、漁業後継者対策の充実を図り漁業後継者の加入促進を図る。
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |