浜プランの取組地区数※2024年3月末時点
5 8 8 地区 ※2024年3月末時点
〇漁場の環境保全・造成と資源・生産の増大
【漁場改善対策】
・ 採介藻(ウニ・貝類・藻類)漁業者(30名)はモニタリング調査を通
じ資源状況や漁場の水質・底質状況を把握しながらウニの密度管理や海
藻の種苗の投入等の磯焼け対策活動を実施し、藻場の適正管理及び資源
維持を行うとともに、遊漁団体や地域住民、小中学生と共同して植樹活
動や河川、海岸の清掃活動を行い漁場環境保全に努める。
・ ひやま漁協、八雲町(熊石)及び関係漁業者(一本釣(24名)、刺網
(8名)、底建網(5名))は、北海道庁に対して、ヒラメ、ホッケ、ソイ
類等を対象とした大型魚礁の整備を要請するとともに、効果的な事業の
実施に向け、水産試験場等の協力を得て、整備適地の選定のための底質
・潮流等の調査を実施する。
【資源増養殖対策】
・ ひやま漁協及びさけ定置漁業者(8名)は、サケ稚魚放流について、
これまで日本海さけます増殖事業協会と連携のもと、危険分散を図るべ
く放流時期の分散とともに、稚魚飼育期における密度調整を綿密に行い
、一定の基準値を設定の上、低密度飼育を進めることで健全な稚魚を生
産してきたが、回帰率の上昇が見込めなかったことから、日本海さけま
す増殖事業協会及びさけ・ます内水面水産試験場との連携を図りながら
、環境に適応した種苗を生産し、回帰率の向上を図る。
・ ひやま漁協は、稚ナマコ放流について、現在、自らが運営する種苗生
産施設において種苗生産(平均15㎜種苗16.7万個)を行っているが、水
産試験場の協力を得て、ナマコ餌料の改良に取り組むほか、効率的な給
餌方法・飼育密度を見直すことで、生残率の向上や成長率の向上を目的
に種苗の大型化及び放流数の拡大(平均30㎜種苗16.7万個放流体制)を
目指す。
また、なまこ漁業者(43名)は、ナマコ種苗10万個の放流を目標に水
産試験場の協力を得て種苗生産技術の習得に努めるとともに荷捌き施設
を利用して簡易ナマコ種苗生産に取り組む。
この他、近年の環境変化による放流した種苗の生残率が低下している
ことから、水産試験場や檜山地区水産技術普及指導所との連携のもと
環境に適応した種苗の生産を図る。
・ ひやま漁協及び採介藻(ウニ・貝類・藻類)漁業(30)は、キタムラ
サキウニの海外需要や国内外食産業の需要増大に伴い、高価格で推移し
ていることから、資源増大を図るため、未利用漁場からの移植などによ
る資源管理及び未利用資源の有効活用を実施しながら、安定出荷体制の
構築を図る。
・ 関係漁業者(刺網(8名)、小定置(5名))は、北海道庁に対して魚類
の産卵や稚魚育成の場となる藻場の整備促進を要請するとともに、自ら
も檜山管内の全町と八雲町熊石、ひやま漁協で構成する「ひやま地域ニ
シン復興対策協議会」や北海道庁と連携し、檜山地域のニシン資源復興
へ向けて、種苗放流や孵化放流試験の実施や生態調査などに取り組むこ
とで資源増大に努める。第1期プランの取り組みにより檜山管内の漁獲
量が伸びていることから今後も継続して、広域での大規模種苗生産放流
に取り組む。
【養殖事業対策】
・ 近年、回遊魚の来遊量の減少によって、回遊魚種を主力とする漁船漁
業者の水揚高は減少の一途を辿っている。このため、漁船漁業者(40名)
は、新規の養殖漁業の着業を検討し、養殖漁業者(3名)とともに、収
益性の高い新たな魚種の検討及び未利用となっている漁港などの静穏域
の積極的な活用を図る。
そのために、新たな魚種及び未利用となっている静穏域での養殖を実
施するために採算性を検証すべく、試験養殖を積極的に実施していく。
〇水産物の単価向上、販路拡大対策
【付加価値向上対策】【都市漁村交流、食育対策】
・ なまこ漁業者(43名)は漁獲の際に、ナマコの鮮度向上のため、船
上の収容環境を改善しストレスを与えないように低密度収納に務める。
また、ナマコの砂出し時には、定期的に吐出物の除去を行い出荷までの
鮮度維持に取り組む。
この取り組みにより、ナマコの鮮度低下による単価の低下を防ぎ、鮮
度向上による付加価値向上へつなげていく。
・ 小定置漁業者(5名)は、漁獲後の流通過程で鮮度が長く維持されるよ
う、消費地販売店等からのニーズが高いサクラマスについて、一定サイ
ズ以上のものを船上にて選別し、「船上活〆」に取組む。その後、施氷
や熊石海洋深層水の活用による5℃前後の温度管理を徹底するとともに
、「熊石産船上活〆熊石海洋深層水使用」を冠したステッカーの発泡箱
同包や魚体へのタグ打ちを行うなどブランド化の推進と知名度向上の取
り組みを継続して行う。
・ いか釣漁業者(17名)は、現在、関東地方向け出荷と札幌市中央卸売
市場向け出荷の2系統に分かれている出荷を出荷先の需要と価格動向を
確認しつつ、出荷体制の再編に取り組むとともに、活〆技術講習会の開
催や「船上活〆出荷」を実施して、付加価値向上に取り組む。
・ たこ漁業者(23名)は、出荷方法の統一ルール(船上での活魚出荷に
向けた施氷による海水5℃前後の温度管理)を徹底するとともに、荷
捌き施設では、熊石海洋深層水を活用した活魚水槽で畜養し、消費地
の需要に合わせた「活」出荷体制を確立するなど、付加価値向上に取
り組む。
・ えび篭漁業者(2名)及び漁協は、買受け業者を通じて消費地側から
の要請を踏まえ、エビの色合いなどに配慮した鮮度保持、品質向上に努
めるべく、船上での搬送には海水殺菌及び冷却装置を活用して、温度管
理を厳格に行うとともに、荷捌き施設では、熊石海洋深層水を活用した
洗浄や活魚水槽での畜養による活出荷の比率向上など付加価値向上に取
り組む。
・ ひやま漁協及び全漁業者は、上記取組みのほか、衛生管理や鮮度保持
の徹底のため、船上での漁獲物の取り扱いについて、施氷による低温管
理のほか、殺菌海水を用いた活魚水槽での活保管や活締めなどを検討し
つつ進める。加えて、荷捌き施設では、熊石海洋深層水を活用した漁獲
物の洗浄にも取り組む。なお、こうした取り組みを徹底するべく、漁業
者及び市場職員の衛生管理の意識向上を図るための衛生管理講習会の開
催などに取り組む。
・ ひやま漁業及び全漁業者は八雲町(熊石)と連携し、6次産業化や漁
業者自らの加工等を推進するとともに、既存の海産物や加工製品の磨
き上げ、新たな商品開発、販売促進を展開することとし、町と漁協が
協働して、札幌圏での販売イベントの実施や、町の観光部署が実施す
る道内外で行われるPRイベントへの参加を通じて各製品の知名度向上
や販路拡大を図る。
【漁業への理解、食育対策】
・ ひやま漁協及び全漁業者は、八雲町(熊石)と連携し地元の学校を
対象に、漁業者による出前事業(料理教室など)や漁協女性部と連携
し都市圏を対象とした魚食普及のための「浜のお母さん料理教室」を
継続して取り組み、さらなる知名度向上を図る。
・ ひやま漁協及び全漁業者は、前プランの反省を踏まえ、遠方からも
来てもらえるような熊石オリジナルの漁業体験プランを作成し、効率
的な宣伝活動を行う。
この取り組みで、多くの人に漁業を体験してもらい、熊石の水産物
をPRするとともに、漁業への理解を図る。
○漁業経営の基盤強化
【漁業経営安定対策】
・ 近年、自然災害による漁業被害で、漁具の破損及び操業日の減少に
よる収入減が懸念される。そこで、ひやま漁協は地区の漁業者に対し
て、漁業共済制度の啓発を行い、漁業共済加入の促進を図る。
・ 社会情勢経済の変化及び環境変化により厳しい経営環境が続いてい
ることから、全漁業者は協業化による操業などの新たな操業体制を模
索し、効率性及び高収益性を意識した操業体制への移行を図る。
その際は、第1期プランの反省を踏まえ、まずは協業化などによる
移行のメリットを漁業者に周知するとともに、少数の漁業者による協
業化を試験的に実施することで、取り組みに対してのハードルを下げ
、協業化などの新たな操業体制の普及を図る。
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |