浜プランの取組地区数※2024年3月末時点
5 6 3 地区 ※2025年3月末時点
以下の収入向上の取組により、基準年に対し 9.3%の所得向上を図る。
①水産物の付加価値向上
1)いか釣漁業者は、イカの漁獲時に船上にて低温管理(5℃以下)を徹底すべく、天候や気温に合せて適切な施氷により速やかな発泡スチロール箱への箱詰めを行う。解氷水に触れることでおこる白色化を避けるため、穴あきの箱を使用する等の対策を徹底する。対策の不十分な漁業者に対しては漁協が指導を行い本プランの目標達成を確実なものとするよう努めさせる。
2) 一本釣漁業者は、クロマグロについて、漁獲後船上において速やかな内臓処理・神経抜き作業を行うとともに海水氷による低温管理を徹底するべく、漁協が主催する技術講習会においてこれら作業にかかる技術の習得に努める。併せて、「大間まぐろ」と同じ漁場で漁獲するクロマグロであることを PR し、市場別にクロマグロが高値で取引される規格の調査を行い、その結果に基づき、規格別に出荷先を選択することで魚価の向上を図る。さらに、冬漁期は外気が氷点下になることも多々あるため、肉厚の薄い腹の部分を凍結させないように、施氷時に使用する砕氷の大きさを選別の上、腹内にはグリーンパッチで保護した後ビニール袋を使用し細氷を詰め、魚体の周囲には荒い氷を使用することで保温管理の徹底に取り組む。
タイについては、漁業者は高鮮度出荷を図るべく、魚体サイズ 1.5kg以上のものについて血抜き作業後すぐに下氷をして、海水を少量散布し、ビニールシートを被せて軽く上氷をすることで鮮やかな色が長く保つ処理を徹底させる。
マスやブリなどのその他魚種については、漁業者は漁協と協力して定期的に販売先の購入時の鮮度状態の実態および産地側への要望調査を行い、その結果に基づき、血抜き・海水氷処理(海水1に対し 0.5以上の氷を使用する)等の処理ルールを定める。また、漁業者は漁協が主催する技術講習会に参加し処理技術の習得に努めることでルールの徹底を図る。
②地先漁場の回復
町営種苗育成センターで生産されるアワビを活用して資源回復を図るため、アワビの種苗放流で成果を上げている地域(千葉県を想定)を訪問し、放流に適したサイズ、時期、環境等を調査し、その結果を元に、漁業権区域内に整備されている増殖場を利用し効果的な種苗放流と管理計画を策定する。この取り組みを効果的に行うため過去に整備した魚礁の状況を調査しアワビの育成に必要な改善措置を行う。
ナマコについては、漁港等に採捕禁止区域を設定し、規格に満たないものが漁獲された場合、漁協が引き取って放流し、1年間蓄養したあと採捕することで漁獲の増加を図る。
③漁業と観光による取り組み
漁協・町・観光協会・商工会等は、漁業者の協力を得て「ブルーマリンフェスティバル」「大間町産業祭」等のイベントを利用して、来訪者に対して、奥戸漁協に水揚げされるクロマグロとブランド化されている「大間まぐろ」との食べ比べ等により、同じ漁場で漁獲される品質の良いクロマグロであることを PR し知名度の向上を図る。
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |