浜プランの取組地区数

5 5 4 地区
※2023年3月末時点

宮城県|宮城県中部地区地域水産業再生委員会(ギンザケ養殖)

牡鹿漁業協同組合(ギンザケ養殖)

取組概要

  • 飼料の効率改善
  • 生食用刺身商材としての市場拡大

取組タイプ

  • 出荷調整(水揚げの時間変更、畜養、冷凍・冷蔵保管等)
  • 鮮度以外の品質向上(神経締め、活け締め、活魚出荷等)
  • 鮮度管理の徹底
  • 衛生管理の徹底
  • 宣伝・広告
  • イベントの開催や出店
  • 地産地消活動
  • 直接販売(直売店、ネット通販等)
  • 新商品(加工)開発(低・未利用魚以外)
  • 魚食普及活動

魚種

  • ギンザケ

浜プランの取組内容

宮城県の「宮城県養殖振興プラン」(平成 26 年度~32 年度)とも連携を図り、全漁業者及び漁協や市・町は以下の取り組みを行うことで、第一期プランに引き続き、持続的・安定的なギンザケ養殖業の振興、さらなる発展を目指す。
(1)安定した生産基盤の確保
市町は、効率的で安全な漁労環境を確保するために漁港施設・海岸施設を整備し、老朽化対策を行いつつ、施設の適正な維持管理を行う。
(2)強い経営体の育成
全漁業者及び漁協や関係機関は、以下の取り組みを通じて、持続的なギンザケ養殖業経営を図る。
① 持続可能な経営体の構築のための収入の安定化
・全漁業者及び漁協は、養殖共済や施設共済の加入状況と内容を改めて確認しながら、見直し等の必要性について検討し、災害時等における収入の安定化を図る。
・個人での事業継続は多額の資金を必要となることを踏まえ、漁業者は協業化や生産分業などにより効率的な生産を行うとともに、漁協は機械更新の為の積立金計画や経営管理にかかる指導を生産者に対して行い、漁業者の経営能力の強化や収入の安定化を図る。
② 担い手の確保等
・漁協は、漁家後継者候補などに対し、少子高齢化や漁業就業者数の減少の中にあっても十分水揚げが確保できるよう、漁労作業の効率化・省力化、安全確保、簿記などについて必要な知識・技術の習得に向けた研修を今期プラン期間も引き続き実施する。
・漁協と市町は、県と連携しながら、各種就職相談会などを活用して新規漁業就業希望者の募集し、地域漁業や漁労など知識の習得に向けた実地研修を行うとともに、観光業界等と連携し体験漁業等を実施する。
(3)良質な養殖ギンザケの確保
① 種卵、種苗の安定的確保
・国内における種卵供給は北海道に限定され、年々種卵の確保が難しくなってきていることから、漁業者及び漁協は、種卵生産者から購入する種卵の親魚の管理について以下の取組みを行う。
a) 漁協は、近親交配による奇形魚発生を回避するため、宮城県内水面試験場から定期的に雄親を調達し、種卵供給業者に提供する。
b) 漁協は、種苗の安定的な導入とリスク分散を目的とし、地下水を活用したギンザケ親魚の独自養成と採卵技術の導入に向け検討を始める。
② 高成長系の種苗の導入
・現在、当地区では海水温が総じて低いことから、出荷期間は他産地が3ヶ月程度である中で4ヶ月程度と長い利点はあるものの、市場ニーズが最も高い3月に他産地より出荷量が少ない状況にある(通常は4月から出荷)。
このため、3月から出荷が可能となるよう、研究機関の協力を得て、高成長系の種苗を段階的に導入する。高成長系種苗の導入により、ギンザケ種苗の成長に適した海水温7℃以上を維持する 11月~1 月頃までの期間に早期に成長させ、3月の出荷が可能とする。
・また、3月から出荷が可能となることで、これまで出荷期間後半で冷凍加工魚に回していたものを、出荷期間前半に鮮魚で出荷することが可能となり魚価向上が期待できると考えており、漁業者及び漁協は、市場ニーズの把握等を行いつつ、出荷時期の調整を図る。
③ 未侵入疾病及び魚病被害への対応
・漁業者は、これまで未侵入疾病及び魚病被害に対して、個々の知見を基に、ワクチン処理を進めてきているが、十分な効果がみられない場合がある。
このため、漁協は、漁業者を対象に、疾病が発生した場合や予防する場合のワクチン処理方法について、適切な疾病対策が講じられるよう、研究機関の協力のもと、定期的にワクチン処理方法にかかる講習会を開催するとともに、新規ワクチン等の開発に協力するよう努めることで、種苗等の死滅割合(現行 7~15%)の改善に努め、収入の向上を図る。
④ 県産ギンザケの高品質化・高鮮度化
・漁業者及び漁協は、県産ギンザケの高品質化に向けて、必要に応じて養殖技術(給餌・密度・身質調整)の改善を行う。
・漁業者は、ほとんどが冷凍で輸入されている輸入鮭鱒との明確な区別化を図るために、生食用刺身商材、とりわけ鮮度維持が図られる活け締め魚の生産量を段階的に増大させる取組を進めるとともに、鮮度保持の向上を図るためにスラリーアイス等を活用する。その際に、氷締めや適正な氷の使用により身割れ等の品質劣化を防ぐ。
・漁協及び「みやぎ銀ざけ振興協議会」は、国の地理的表示(GI)に登録された高品質なギンザケ(みやぎサーモン)を安定的・継続的に供給できるよう、漁業者に対して活け締め技術講習会を実施する。また、活け締め等の作業軽減のため、宮城県産ギンザケに適応する選別機や自動活け締め機等の開発・導入について検討する。

(4)養殖生産物の安全確保
・全漁業者及び漁協は、引き続き、福島第1原発事故の風評被害の払しょくを進めるため、関係機関と連携して放射能検査を確実に行うとともに、安全性が確認された商品であることを、ホームページなどを通じて周知する。
・また、生産者自らが養殖ギンザケの食品としての安全性について意識の向上が図られるよう、衛生管理等にかかる実地研修を実施する。
(5)販路回復・拡大
全漁業者及び漁協は、県、市、町などの行政機関と協力を図りながら市場拡大に努めるべく、漁業者、飼料会社、市場、流通関係等の業界と一丸となって以下の取り組みを行い、ギンザケの認知度を向上させ、PR活動やイベント等を実施し地産地消を拡大するとともに、本県産ギンザケを魅力ある商材として情報発信することで、消費及び販路の拡大を図る。
① 認知度向上、販売チャンネル開拓の取り組み
・「みやぎ銀ざけ振興協議会」との連携により効果的なPRや販促などのイベントを実施し、生食用刺身商材の市場拡大に取り組むことで国産ギンザケの認知度及び消費者の購買意欲の向上を図る。前期では宮城県内を含む東北地区を中心とした量販店等でのPR活動が主であったので、当年度は主に首都圏での活動に注力する。
・商社などの関係者に対し「みやぎサーモン」をはじめとする県産ギンザケの品質の維持・向上等の効果を知ってもらうための試食会等を実施する。
・輸出実績のあるシンガポールの他、輸出先を拡大させるべく、関係機関と協議、検討を行う。
② 販売活動の推進
・漁業者及び漁協は、市町村の地域販売所を活用した販売を拡大するべく、地域におけるPR及び販売活動を推進することとし、消費者ニーズの把握に努めつつ、関係先と協議し、加工製品等の種類の充実を図る。具体的には、「みやぎ水産の日」に合わせたイベントや「みやぎ銀ざけ振興協議会」と連携したみやぎ銀ざけまつりを開催し、ギンザケの魅力を継続的かつ積極的にPRする(とりわけ、活け締めによる生食用刺身食材を重点的に行う)ことで、知名度向上と消費拡大を図る。
・また、キッチンカーを積極的に活用することにより、従来の参加型イベントを利用したPR活動に加え、学校等を訪問する食育活動の実施等、広い年齢層に対する宮城県産ギンザケの認知度向上を図る。
・宮城県産飼料米等、県産原料を活用した飼料開発を進め、海外産・他県産サーモン類との差別化を図り、ブランド強化を目指す。
これらの取組により、基準年より0.2%以上の漁業収入向上を目指す。


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※上記は、水産庁ホームページに掲載の浜プランの内容を転載しています。

団体情報


JF・団体名 牡鹿漁業協同組合(ギンザケ養殖)
住所 〒986-2524
宮城県石巻市鮎川浜丁55
電話番号 0225-45-2411