浜プランの取組地区数
5
8
8
地区
※2024年3月末時点
浜プランの取組地区数
5
8
8
地区
※2024年3月末時点
宮城県の「宮城県養殖振興プラン」(平成 26 年度~32 年度)とも連携を取りつつ、全漁業者及び漁協や市・町は以下の取り組みを行うことで、第1期プランに引き続き持続的なのり養殖業の更なる発展を目指す。
(1)安定した生産基盤の確保
① 漁港機能の維持管理
市町は、効率的で安全な漁労環境を確保するために漁港施設・海岸施設を整備し、老朽化対策を行いつつ、施設に適正な維持管理を行う。
(2)良好な養殖生産物の確保
全漁業者及び漁協、関係機関は、以下の取り組みを通じて持続的なのり養殖業の振興を図る。
① 震災による海洋環境の変化への対応
地域により養殖漁場内の栄養塩濃度に差があることから、漁協は浜ごとに行う水質調査を通じて、漁業者に対して最適な摘採時期にかかる情報提供を行う。併せて、必要に応じ病障害を未然防止するための早期の摘採を促すことにより、漁業者の生産及び収入の安定化を図る。
また東日本大震災後の影響による地盤沈下、その後の海底隆起の影響による潮位の変化に対応できる新たな潮位計の設置を検討する。
② 本県の環境に適応した生産体制の構築
高海水温に伴う育苗時期の遅れから外洋への張り込みが遅れてしまうことを防ぐため、漁協は定期的な水温把握を通じて、漁業者に対して情報提供を行うとともに、水温が高めで推移した状態での育苗や早期の刈取りを可能とするため、水産技術総合センター等の研究機関と検討・協議を行いつつ、本県海域に適した種苗の開発・導入を図る。
③ 生産に影響を与える病障害の対応
あかぐされ病や近年、仙台湾全域にバリカン症状が発生していることから、漁業者及び漁協は研究機関と連携し、設定された漁場利用計画及び適正養殖可能数量に基づき、いかだ毎の間隔を確保することで汐通しを良くし栄養塩が均一に取れるように努める。
(3)強い経営体の育成
① 担い手の確保
・漁協は、漁家後継者候補などに対し、少子高齢化や漁業就業者数の減少の中にあっても十分水揚げが確保できるよう、漁労作業の効率化・省力化、安全確保、簿記などについて必要な知識・技術の習得に向けた研修を今期プラン期間も引き続き実施する。
・漁協と市町は、県と連携しながら、各種就職相談会などを活用して新規漁業就業希望者を広く募集し、地域漁業や漁労など知識の習得に向けた実地研修を行うとともに、観光業界等と連携し体験漁業等を実施する。
② 収入の安定化
・全漁業者及び漁協は、養殖共済や施設共済の加入状況と内容を改めて確認しながら、見直し等の必要性について検討し、災害時等における収入の安定化を図る。
・個人での養殖業には多額の設備投資を必要とすることを踏まえ、漁業者は協業化や法人化、生産分業などにより効率的な生産を行うとともに、漁協は機械更新の為の積立金計画や経営管理にかかる指導を生産者に対して行い、漁業者の経営能力の強化や収入の安定化を図る。
・漁協は浜ごとの栄養塩状況の確認や生育状況、色調等の調査を行い、当該情報を逐一生産者へ伝達することとし、漁業者はその結果を受けて、摘採時期の調整を行うことで、ノリの品質確保に努め収入の安定化を図る。
(4)養殖生産物の安全確保
全漁業者及び漁協は、関係機関と連携を図りつつ、以下の取り組みにより漁場環境及び養殖生産物の安全確保を図る。
① 異物混入防止の徹底
漁業者各々が目視検査を徹底するべく、漁協は、漁期前に部会や研修会等を開催し漁業者に対して周知・啓蒙を図ることにより、異物混入の防止に努める。
② 適切な活性処理剤の使用
全漁業者は、活性処理剤使用取扱要領を遵守し、活性処理剤の使用後5日以上経過した後に摘採を行う。漁協は、漁業者が同要領の下で採苗、育苗の漁場環境を踏まえつつ同処理剤を適切に使用することを徹底するべく、必要に応じ漁業者に対して研修会等を開催する。
③ 放射性物質の検査
全漁業者及び漁協は、風評被害の払しょくを進めるため、関係機関と連携して放射能検査を確実に行うとともに、安全性が確認された商品であることを、ホームページなどを通じて周知する。
(5)販路の回復、拡大
全漁業者及び漁協は、JF全漁連(全国漁連のり事業推進協議会)をはじめ関係機関と連携しながら、買受人、流通業界と販促PR活動を展開し消費拡大を図る。
① 効果的なPR活動や販売の実施
地産地消においては、地元買受人(買受人組合)と連携の下、各地域で開催される祭事等に積極的に参加するとともに、地域販売所を活用した販売を拡大するなど、地域におけるPR及び販売活動を推進するべく、消費者ニーズの把握に努めつつ、関係先と協議し、加工製品等の種類の充実を図る。
加えて、「みやぎ水産の日」にあわせて行う販促イベントや地域イベントである「石巻かき祭り」や「いしのまき大漁祭り」などにおいて産品のPRを強力に実施し、「みちのく寒流のり」の知名度の向上や需要の拡大を図る。
また、キッチンカーを積極的に活用することにより、従来の参加型イベントを利用したPR活動に加え、学校等を訪問する食育活動の実施等、広い年齢層に対する宮城県産のりの認知度向上を図る。
② 新規商品の販売に向けての取り組み
現行の乾海苔(板のり)主体の流通から、生のりのバラ干しなどの商品の形での生産・販売へも拡大し、その方途について買受人・加工業者等との検討を行う。併せて、新たな商品販売に対応した入札システム構築の検討を始める。
これらの取組により、基準年より0.9%の漁業収入向上を目指す。
JF・団体名 | 牡鹿漁業協同組合(ノリ養殖) |
住所 | 〒986-2524 宮城県石巻市鮎川浜丁55 |
電話番号 | 0225-45-2411 |
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
---|---|---|---|---|---|---|
北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |