浜プランの取組地区数
5
8
8
地区
※2024年3月末時点
浜プランの取組地区数
5
8
8
地区
※2024年3月末時点
庄内浜産水産物は、約 40%が当該地方で消費されるほかは、約 50%が新潟県や首都圏等の県外に流出し、県庁所在地がある山形市ほか本県内陸部への水産物の流通は10%程度にとどまっている。これまで太平洋側の水産物が一般的であった本県内陸部の水産物取扱業者や消費者に対し、庄内浜産水産物の認知を広げるための取組みや流通を積極的に推進・拡大する。
さらに、首都圏等で高値での取引が期待できる「活ズワイガニ」などの流通を促進することで魚価の向上を図る。
(1)漁獲物の品質向上
① 海水殺菌装置・冷却装置の有効利用と船上活〆・神経〆による鮮度保持漁業者は、漁獲物の付加価値向上を図るため、水揚げ後出荷までの低温管理を徹底するべく漁船内に冷却海水タンクや海水殺菌装置を装備し衛生管理・鮮度保持に努めるとともに、漁獲物の一部は船上にて活〆・神経〆(タイ、ヒラメ、マダラ等)処理を行い、処理後にはすみやかに発泡スチロールへの詰め込みまでを行う「沖詰鮮魚」に取り組む。
② 鮮度保持の取組の徹底
漁協は、①の技術習得・普及及び取組ルールの実践を徹底するための鮮度保持取扱講習会・研修会を開催する。
(2)活魚出荷によるブランド化の推進
① ホッコクアカエビの活魚出荷
冬期にはホッコクアカエビの活魚での出荷を図るべく、水産試験場と連携し、上記講習会・研修会において最適な出荷方法について検討する。
② ズワイガニの活魚出荷でのブランド化
消費地飲食店等において「活魚」へのニーズが高まっているズワイガニについて、行政や流通業者等の関係者と連携し、活魚出荷での新たなブランドとするため、他産地との区別化を図るためのブランドの命名やキャンペーンの取組みを進める。
③ 活魚水槽の整備
漁協と漁業者は、漁港に活魚蓄養水槽等を試験的に導入し、活魚出荷が可能となる魚種、出荷方法を検討する。漁協はその販路についても検討する。また、漁協は、老朽化により現在の出荷体制に適合していない豊浦支所荷捌き所について、漁業者からニーズが高まっている蓄養水槽等の活魚出荷に対応可能な施設の整備を計画する。
(3)資源回復・漁場保全
① 資源管理型漁業の推進
漁業者は、ズワイガニ漁等における曳網回数制限やはたはた漁等における目合拡大、漁獲サイズ制限等の資源管理型漁業を継続的に実践することにより安定した資源の確保に努める。
② 海底清掃事業の実施
漁業者は、海底清掃事業の実施により他国漁船の投棄漁具・漂流ゴミを回収し、漁場保全に努める。また、移動時の監視を行うことで海域の異変をいち早く発見することに努め、操業への影響が無いように努める。
③ 種苗放流の実施
漁協、漁業者は種苗放流(底曳網対象種:ヒラメ)を行うことで、資源の維持・増大に努める。
(4)蓄養による安定出荷
漁協は、蓄養水槽の導入による荒天時にも影響されない計画的・安定的な出荷に取り組むことで、旅館・ホテル・量販店等からの信頼の強化を図る。
(5)消費拡大・販路拡大
① 内陸部への流通拡大
漁協と漁業者は、庄内浜産水産物について依然として県内内陸地方での認知度が低いことから、試食会等を通じて内陸地方への積極的な販売活動を行うほか、魚種別の「旬」を消費者等に広く周知することやレシピの充実を図ること等を通じて消費者の理解増進に努める。また、山形市を中心とした内陸部の消費地における「庄内浜の魚応援店」の募集継続と、漁業者と応援店との意見交換等を通じて消費者ニーズに基づく地元水産物の取扱推進に努める。
② 「庄内海丸」を通じた情報発信
漁協は、直営店「庄内海丸」を有効活用し、対面販売により庄内浜産水産物の提供と情報発信に努める。また、「庄内海丸」に輸送する車両で「応援店」からの注文品を一緒に運ぶことで、応援店に利便を図ることを積極的に PR し、認知度を高めるとともに県内陸部への輸送と「応援店」や消費者への水産物の提供と情報発信に努める。
③ 漁業者による地魚消費拡大に向けた各種イベントの開催と漁村コミュニティーの活性化
底曳漁業者で構成する底曳協議会は、地元開催する「鼠ヶ関大漁旗フェスティバル・由良港大漁祭り」のほか、県・沿岸市町と連携をとり東京・大阪などでのデパート物産展にも積極的に参加し、都市部と漁村との交流、漁村コミュニティーの活性化に努める。
④ 給食等での水産物利用促進
漁協と県・沿岸市町は学校給食や老人介護施設等の給食サービス機関での庄内浜産水産物の利用促進を図る。
⑤ 魚食普及・食育
漁協と行政は、庄内浜文化伝道師と連携し、保育園児から社会人まで年齢層に応じた「お魚教室」を開催し、若年層の魚食普及の推進と地元水産物の消費拡大に努める。
(6)加工の促進
① 新たな加工品の開発
漁協は、底曳で漁獲される未利用魚・低価格魚(甘子だらや規格外のカレイ類等)の新たな需要創出のため、献立、調理方法についての研究を水産試験場等と実施し、新たな加工品を開発し、漁業者グループによる加工技術の指導普及に努めるとともに、企業・料理人との交流を深めながら新製品を積極的に PR する。
② 加工施設・機器の整備
水産加工場の冷凍冷蔵施設や真空包装装置等について施設整備を検討する。
JF・団体名 | 山形県漁業協同組合(底曳き) |
住所 | 〒998-0036 山形県酒田市船場町2-2-1 |
電話番号 | 0234-24-5611 |
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
---|---|---|---|---|---|---|
北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |