浜プランの取組地区数
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地区
※2024年3月末時点
浜プランの取組地区数
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地区
※2024年3月末時点
1.荷捌き施設・加工施設の整備に向けた体制の構築と加工等の
取組拡大
(1)荷捌き施設・加工施設の整備体制の構築
漁業収入を向上させる核となる施設として、荷捌き施設・加工施設
の施設運営体制の構築、産地水産業強化支援事業交付金の申請に向け
た準備、検討を進める。
(2)加工等の取組拡大
現在、株式会社小田原魚市場が、市場内に作業スペースを設置し、
顧客の注文に基づいて一次加工や低利用魚を原料とした干物の試作
に取り組んでいる。今後、漁業者は、小田原市漁協、小田原魚市場、
加工業者と連携し、顧客ニーズが高い魚種や一次加工形態について、
小田原市漁協や小田原魚市場等が招聘した専門家から、加工技術を習
得し、自ら加工を行う。
具体的には、定置網漁業者は多種の水産物について、顧客の注文に
合わせ、非可食部の除去やフィレー、切身等への加工を行う。しらす
船曳網漁業者は、地元産のシラスの釜揚げ、乾燥までの加工を行う。
それに加え、刺網漁業者は、魚価が安い 3~5 月に水揚げされるアン
コウを加工施設で凍結保存し、冬期間に鍋用に一次加工して販売す
る。また、地元でも見かけることの少ない地魚を活用した干物加工を
行い、最近では行われていない天日干し加工に新たに取り組むこと
や、冷風乾燥機による干物の製造に取り組む。なお、干物の新商品の
開発に関しては、平成 28 年度を目途に取り組みを進め、小田原市漁
協女性部と連携することにより、新商品開発に女性の視点を取り入れ
る。本年度は、実施に向けての準備・検討を行う。
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2.流通・販路拡大の取組
漁業者は、小田原市漁協、小田原魚市場と連携し、学校給食、箱根
町の宿泊施設、地域内外の小売業者、加工業者等のニーズを把握し、
それに対応した一次加工等を行い販路開拓に取り組むための検討を
行う。
3.小田原の魚全体の認知度向上と消費拡大
(1)新たな商品開発等による地域ブランドのPR
小田原市漁協や魚商、加工業者等からなるブランド化協議会は、小
田原の地魚の価値を高める活動を行っていく。本年度は、これまで開
発してきた地魚(イワシ・カマス等)を使用し簡単に調理できる加工
品(「小田原城前魚」:電子レンジで加熱することにより骨まで食べら
れる干物等)の本格的な販売を開始するとともに、地魚取扱い店舗等
のPRや街中で歩きながら食べられるフィッシュストリートフード
の開発(骨抜きカマス等)及びその加工に必要な専用加工器具の開発
(骨抜き器等)に取り組む。これらの加工品は、主に低利用・未利用
魚を使って行うこととして、新たな地魚(コイサキ等)を活用した商
品開発にも取り組む。
こうした取り組みは、低利用・未利用魚として、これまで値が付か
なかった魚種について、加工原料として利用拡大をすることで、魚価
の向上が図られ漁業者の所得向上につながる。
(2)交流促進施設の整備
小田原市は、水産業の振興と交流人口の拡大を通じて、地魚消費拡
大と魚価の向上を図るため、交流促進施設の施設整備に向けた調査、
農山漁村活性化プロジェクト支援交付金の導入に向けた活性化計画
の策定等に取り組む。
4.漁業種類毎の生産拡大・魚価向上の取組
(1)定置網漁業の生産・販路拡大
定置網漁業では、銘柄が多様で水揚量の増減が激しく、一定規模を
超える水揚げがあるときは、需要が追いつかず、価格が下落し易い点
が問題となっている。特にイワシ、カマス等の多獲性魚については、
小サイズの銘柄の需要が少なく、大漁の際には価格が大きく下落す
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る。このため、これまでは需要に見合った供給となるよう、網起こし
をセーブすることがあった。
こうした状況に対応するため、本年 3 月、小田原市漁協自営定置網
は、より多くの漁獲物を、定置網内にストックし需要に応じて安定的
に供給できるよう、網を改良(魚取り部分を大きくし、金庫網を導入
等)しており、昨年度に整備された小田原漁港の新港西側の蓄養水面
をあわせたストック機能を活用して、魚価の維持・向上を図る。
更に、将来的には、顧客のニーズに応じた時間帯や数量により柔軟
に供給する取り組みを行っていくため、本年度より、その手法を検討
する。
(2)刺網漁業、裸もぐり漁業の漁獲物の出荷調整の取組
刺網漁業者と裸もぐり漁業者は、活魚水槽を活用した漁獲物(イセ
エビ、アワビ、サザエ)の出荷調整に取り組む。活魚水槽は、29 年
に新たに整備する荷捌き施設内に整備することとし、イセエビについ
ては、蓄養したものを禁漁期に出荷し、アワビ、サザエについては、
1 週間程度の短期蓄養を行い、時化等で漁獲量の少ない日に出荷し、
魚価向上を図る。
本年度は、実施に向け関係者との調整・検討を行う。
(3)一本釣り漁業の水揚げの拡大
小田原魚市場は、一本釣り漁業者に安定価格で積極的に取り引きす
る魚種を提示することにより、水揚げの拡大を図る。今年度は、実施
に向けて関係者と魚種(キメジ、スルメイカ、アジ、カツオ等を想定)
等についての検討を行う。
JF・団体名 | 小田原市漁業協同組合 |
住所 | 〒250-0021 神奈川県小田原市早川1-10-1 |
電話番号 | 0465-22-4475 |
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |