浜プランの取組地区数
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地区
※2024年3月末時点
浜プランの取組地区数
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地区
※2024年3月末時点
① アワビ等の磯根資源の維持増大による漁獲収入の向上
○ 厳密な資源管理による磯根資源の維持
漁業者及び漁協は、漁業権行使規則に加えて、自主ルール
による漁獲規制(採取時期、採取時間、禁漁区の設定)を実施
することにより、厳格な資源管理を実施し、磯根資源の維持を
図る。
例:舳倉島(第1種共同漁業権)
魚種 項目 行使規則 自主ルール
アワビ 採取時期 1 月 1 日~9 月 30 日 7 月 1 日~9 月 30 日
採取時間 規定なし 9 時~13 時
採取方法 ― 素潜り漁に限定
サザエ 採取時期 周年 7 月 1 日~9 月 30 日
採取時間 規定なし 9 時~13 時
採取方法 ― 素潜り漁に限定
※ 舳倉島や七ツ島・嫁礁周辺海域を除くと、石川県の岩礁海
岸では、サザエ等は大半が刺網や把具によって漁獲されてい
る。
○ 種苗放流等による磯根資源の涵養
漁業者及び漁協は、島嶼部(舳倉島、七ツ島、嫁礁)及び
輪島市本土側の岩礁域に、アワビ種苗(殻径 20mm 以上)とサ
ザエ種苗(殻高 5mm 以上)を合わせて 100 千個を目標に放流
し、有用貝類資源の増大を図る。
平成 27 年度実績(輪島市全体)
アワビ:75 千個(うち舳倉島が 65 千個)
サザエ:30 千個(210.5kg 7g/個換算)
○ 外敵生物(マダコ・ヒトデ)、競合生物(ウニ・小型巻貝)
の駆除
漁業者は、地区住民と協力して、アワビを食害するマダコや
ヒトデ及び海藻を摂餌してアワビやサザエと餌料面で競合す
るウニやオオコシダカガンガラ等の小型巻貝を駆除する。
・ 外敵生物(マダコ・ヒトデ)の駆除 かご漁具
舳倉島地区:4 月~10 月
・ 競合生物(ウニ、小型巻貝)の駆除 海女による採取
南志見地区:平成 27 年 9 月 17、18、20 日(3 日間)
光浦地区 :平成 27 年 9 月 4、12、16 日(3 日間)
○ アワビ・サザエ生育環境の保全
漁業者は、地元住民の協力と県水産総合センターの指導を
受け、七ツ島海域において藻場の保全を図り、アワビ・サザ
エの生育環境を保全するためカジメ(ツルアラメ)母藻設置
試験を実施する。
○ アワビ・サザエ増殖場の整備
石川県は、平成 27 年 11 月 30 日に開催された「輪島の海女
漁保存振興会」等の機会を捉えて、漁業者と意見交換し、平
成 28 年度に舳倉島海域に整備する予定のサザエ等増殖場(投
石)造成に係る候補区域を選定する。
② 漁獲物の高付加価値化による収入の向上
○ 海女による漁獲物の加工
輪島市では、古くから蒸しアワビや蒸しサザエ等の磯根資
源を使った水産加工品が作られてきたが、近年は漁獲物を原
料として加工業者に供給することが大半となっている。
また、メカブ(ワカメの基部)のように、従来は販売・利
用しなかった部位もあったことから、今後は漁業者自らが水
産加工に取り組み、未利用資源の活用や漁獲物の高付加価値
化による収入の向上を図る。
( 併せて、漁獲圧の一部を低利用の海藻に向けることで、貝
類資源の保護を図る。)
(加工に取り組み、商品化を進める品目)
湯通し塩蔵ワカメ、塩蔵イシモズク、カットカジメ、
蒸しアワビ(H27 より「輪島海女採り蒸しアワビ」として、海
女が舳倉島の塩を使って加工した製品を出荷開始。)、
蒸しサザエ、茹でサザエ
○ 海女採り魚介類ブランド化の推進
漁業者及び漁協は、「輪島海女採りさざえ」・「輪島海女
採りあわび」(平成 21 年 9 月 4 日 石川県漁協が商標登録)
をはじめとする海女採り魚介類のブランド化を推進するため
以下のイベントでPRを実施する。
・平成 27 年 7 月 19 日 輪島あわびまつり
(輪島マリンタウン会場 輪島市)
・平成 27 年 10 月 3,4 日 石川の農林漁業まつり
(石川県産業展示館 金沢市)
・平成 27 年 10 月 3~5 日 輪島の海女漁フェア
(いしかわ百万石物語江戸本店 東京都)
また、平成 27 年 3 月 18 日に「世界農業遺産 未来につなげ
る「能登」の一品」として、県より認定された「海女採りさざ
え」、「海女採りあわび」及び「塩蔵わかめ」を、平成 26 年
10 月に東京銀座にオープンした石川県アンテナショップ「い
しかわ百万石物語・江戸本店」の看板商品として恒常的に、陳
列・販売することで、首都圏の消費者に対してPRし、ブラン
ド化を目指す。
○ 駆除した外敵生物等の有効活用
アワビを食害するため漁業者が駆除したマダコは、小型の
ためほとんど出荷されず、漁業者が自家消費する程度である
が、石川県のいしかわ里山創成ファンド事業の採択を受けて
新たな水産加工品開発に取り組む定置網業者に、通常サイズ
のマダコと同じ魚価水準で出荷することによって収入の向上
を図る。なお、当該ファンド事業の実施業者は、舳倉島のマ
ダコを使ったコロッケやハンバーグのレシピを開発し、「輪
島あわびまつり」や「いしかわの農林漁業まつり」等の催し
に出品している。
駆除したマダコが、通常サイズのマダコと同じ魚価水準で
出荷可能となり、漁業者によるマダコ駆除のインセンティブ
となっている。
JF・団体名 | 石川県漁業協同組合(海女部会) |
住所 | 〒928-0075 石川県輪島市鳳至町下町166 |
電話番号 | 0768-22-1485 |
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
---|---|---|---|---|---|---|
北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |