浜プランの取組地区数※2024年3月末時点
5 6 3 地区 ※2025年3月末時点
①漁協女性部等を中心とする6次産業型加工事業による低利用資源の付加価値化
主に市場単価の低い魚種を対象とした加工開発・商品化事業を進め、②に示す青空市や、
町内道の駅などでの販売を推進する。これは、次年度以降本格稼働する予定の6次産業施
設対応のための準備期間としての意味と位置付けを持つ。
基本的には、沿岸漁船漁業、採貝藻漁業、養殖ものについては衛生管理型の取り扱いに
十分留意すれば一定の高単価が期待されることから、鮮魚・活魚出荷を前提とし、女性部
等が中心となって取り組む加工開発・商品化は、大型及び小型定置合計漁獲の 0.1%程度
(505kg;203 千円)及び夏場に単価が急落するサザエの 1%(89kg;56 千円)の合計
259 千円分の原材料を用いて、高付加価値商品(海鮮バーベキューセット、サザエご飯、
すり身さつま揚げ加工品等検討)をつくり、販売することで、15%程度の付加価値化を進
め、漁業収入の向上(0.01%)を図る。なお、大型及び小型定置の漁獲物の加工開発・
商品化作業は年 12 回実施予定とする。
②衛生管理型市場の稼働を見通した大型定置ものの地場流通拡大による付加価値化の試行
平成 34 年度(平成 34 年 4 月)に衛生管理型市場及び仲買出荷関連施設、漁協事務所等
が移転・新設、平成 32 年 10 月には6次産業施設が供用開始を計画しており、その過程と
して関係者(漁協、漁業者個々、仲買人等)が強固に連携、積極的に参加し試行事業を実
施する。
関係者(漁協、漁業者個々、仲買人等)は、これまでの取組みを拡大して、漁協自営定
置取扱高の 1%程度(1,500 千円)を、漁港あるいは既往市場周辺適地で月1回(年 12 回
程度)のイベント的直売(市民開放型青空市や観光青空市)のようなかたちで町民や観光
客等に販売することで、15%程度の付加価値化を進め、漁業収入の向上(0.07%)を
図る。
③定置漁獲混獲稚魚や冬場前のカワハギ等の活魚化による付加価値化
定置(大型・小型)漁獲物のうち、市場価格の低い未成熟の混獲稚魚や需要の多い冬場
前(肝の乗る前)のカワハギ等は、一定期間養殖業者により蓄養し、太らせ、活魚出荷(特
に冬場のカワハギ活魚は京阪神の消費地業者の需要が多い)すれば、鮮魚の 10 倍の価格で
取引されている。従って、漁協自営定置を含めた小型定置漁業者は漁獲の 0.1%を対象に
活漁化に取り組み、需要に応じた出荷により 5 倍の付加価値化を進め、漁業収入の向上(0.
30%)を図る。
④衛生管理型わかさ高浜漁協魚市場の稼働による取扱い漁獲金額の総体的単価向上
平成 34 年 4 月の衛生管理型市場の稼働に向けて、漁業者、漁協、魚商組合(仲買人組
合)他市場・水産流通関係者による衛生管理ソフト(マニュアルの作成や施設利用基準作
成と遵守、関係者意識の向上等)の策定を図ると共に、全漁業生産者が神経〆や適正な氷
の活用、適切な魚種の活魚化の推進など品質管理を徹底することで、基準年の全取扱魚種
の単価を向上させる。
⑤6次産業振興施設の整備・稼働の本格化と歩調を合わせた直販・レストラン事業展開に
よる単価向上
全漁業者、漁協は、高浜町及び6次産業振興施設の直接の運営者と連携し、平成 32 年度
(平成 32 年 10 月)完成予定の「6次産業振興施設」等の事業企画・運営等について協議、
検討すると共に、直販、レストラン事業の社会実験を通じて、当該施設での運営参加のあ
りかたや上記の取組の効果の具体化を図る体制を確立する。
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |