浜プランの取組地区数※2024年3月末時点
5 8 8 地区 ※2024年3月末時点
①-1 地域密着型による販売促進
(ア)消費の拡大
(a)イベント等でのPR活動
漁業者 249 人は、「農林漁業まつり」や「姫路とれとれ市網干カキ祭り」、
「妻鹿漁港フィッシュモールフェスタ」、「市民ふれあい朝市」等のイベン
トにおいて、地元水産物(ノリ、カキ、アナゴ、その他活魚等)の直売を
行い、その中で地元市民や観光客の方々に地元水産物の調理法や特徴等を
伝える事で地元海産物を身近に感じてもらう。
また、姫路栽培漁業センター職員も、姫路市と協力の下、地元の小学生
を栽培センタ-に招き施設の説明や放流体験などを行い、地元の海産物を
身近に感じて貰って地元海産物PRにつなげ消費の拡大を図る。
(b)直売の実施
漁協青壮年部 37 人(小型底びき網漁業者 9 人、刺網漁業 6 人、かご漁
業者 8 人、小型定置網漁業 4 人、一本つり漁業 5 人、カキ等貝類養殖業 2
人、その他 3 人の青壮年世代の漁業者が構成する団体)は、漁協協力の下
「とれとれ直売所」を毎月第2、第4日曜日に開催することで、地元のお
客様に季節ごとの新鮮な海産物をリーズナブルな価格で販売するととも
に、漁業所得の向上を図る。(仲買人の買い受け価格よりも高い価格で販
売できるため、収入は向上する。消費者の立場からは、小売市場で購入す
るよりも新鮮な魚介類が、小売市場より低価格で購入出来る。)
例:産地価格(仲買人)マゴチ 1,000 円/kg→小売:2,000 円/kg
直売 1,500 円/kg
※直売所施設や備品等は、平成 25 年度(事業完了は平成 26 年3月)に県
及び市の補助を受けて整備した。
(c)観光漁業の展開
砂浜の海岸に面した地域(図2)に住む漁業者は、観光客参加型の地び
き網体験を実施し、地元水産物の宣伝と体験料金の収入による所得向上を
図る。
図2 砂浜の海岸に面した地域
(イ)魚価の向上
(a)独自の水産加工品の開発
漁協青年部所属の漁業者 37 人は、その他の漁業者と協力して、自分た
ちは日常から食用にしているが、市場には出回っていない「アユ、アカシ
タビラメ、タチウオ等の干物」づくりを行い、各種衛生試験(細菌数など)
を検査機関に委託して行った後、自らの姫路市妻鹿漁港に設置している直
売所(図3)で試食販売し、お客様に対しアンケート調査を行う。
このような加工品は、活魚や鮮魚のように出荷時期の制約を受けないこ
とから、これら新商品の開発により、年間を通じて安定的な収入の確保を
図る。
①-2:栽培事業による資源の増大
(ウ)放流事業の推進
(a)姫路栽培漁業センターによる放流事業
漁協は、漁業者 249 人及び姫路市と協力し、有用魚種であるメバル、
カサゴの種苗生産と、マコガレイ、ヒラメ、ガザミ、クルマエビ、クマエ
ビ、アナゴ、サザエ、オニオコゼの中間育成を行い、適地に放流すること
で資源の増大を図る。
(b)漁業者による二枚貝の資源造成
各漁業者は、姫路市協力の下、近年漁獲量が減っているアサリやハマグ
リ、アカガイなどの貝類の種苗を直接放流や養殖試験を実施する事で、資
源増大を図り漁獲量と収入の向上を図る。
(エ)漁場及び環境の回復
(a) 漁場の回復
漁協は、種苗生産や中間育成後の稚魚(メバル、カサゴ、マコガレイ、ヒ
ラメ、ガザミ、クルマエビ、クマエビ、アナゴ、サザエ、オニオコゼ)を
既存の投石礁や魚礁周辺に放流することで、漁場周辺での定着を促し、資
源増大を図る。
(オ)漁獲規制による資源保護
(a)漁網の網目規制
小型底びき網漁業者 25 人は、網目の大きい漁網に統一する事で、カレ
イ類等の未成魚の漁獲を防ぎ、親魚としての個体を残すことで資源増大を
図る。
(b)禁漁期間の調整
小型底びき網漁業者 25 人は、現在の禁漁期間については、固定化させ
ず状況に応じて調整を行うことで、資源増大を図る。
1 -3:漁業後継者の育成
漁協は、健全な漁業経営と資源管理を行うことができる漁業後継者を育てる
ため、様々な分野の研修(6次産業化研修、資源管理に係る研修、税務申告研
修など)に参加できる体制を構築する。
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |