浜プランの取組地区数
5
8
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地区
※2024年3月末時点
浜プランの取組地区数
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地区
※2024年3月末時点
・中・小型巻き網漁業の主要魚種であるマアジの活魚出荷率の増大
[5年間の取組概要]
中・小型巻き網漁業者は、主要魚種であるマアジの付加価値を向上させる
ため、従前から、漁獲物の一部を活魚水槽のある運搬船や捕獲した網ごと曳
航する方法で生かしたまま海上の生け簀に輸送し、蓄養後活魚で出荷する取
組を行っている。蓄養では、区画漁業権の取り決めにより餌をやってはいけ
ないルールがあり、長期間飼育することは不可能であることから、活魚での
販売先がなければ漁獲したものを市場に鮮魚として水揚げしていた。
小型のマアジについては、活魚で販売した場合、過去の実績から鮮魚と比
較して3倍から6倍の価格で取引されることが見込まれるほか、地元や静岡県
の魚類養殖業者向けの養殖用種苗や地元の延縄漁業用の活餌としての引き合
いがある。また、大型のマアジについては、これまでは主に蓄養したものを
時化などの影響で品薄となり高値で取引される場合にのみ出荷していたが、
地域内への出荷に留まっていた。
現状では活魚による出荷能力・量が相当あるにも関わらず出荷先が限られ
ていることから、活魚マアジの需要拡大を図るには販路開拓が必要不可欠で
ある。販路開拓法として、当地区の日本一の生産量を誇る養殖マダイの既存
活魚出荷ルートを活かし、商談に取り組み活魚出荷量の増大に努める。
今後は、現状の活魚出荷先が希望するサイズや出荷時期等のニーズを的確
に把握し、安定的な出荷体制を構築していくとともに、現在まで実績の少な
い九州地区の新たな販売先を開拓し需要を伸ばすことで活魚での出荷割合を
増加させ価格の向上を図る。
この取組において漁業者は、魚市場卸売業者、流通業者と連携し、それぞ
れの出荷先が求めるサイズ、ロット等の情報を収集し、ニーズに合った活魚
を水揚げ、選別をすることで、出荷割合を増加させ、天候や漁模様に左右さ
れることなく計画的に市場へ供給する体制を整え、価格の向上や安定化を図
る。
[1年目の取組内容]
中・小型巻き網漁業者は、安定的な出荷体制を構築するため、卸売業者等
から得られた現在の活魚販売先のニーズを的確に把握し、準備が整い次第実
施に移行する。
・柑橘の果皮を配合した餌により差別化された養殖魚の生産
[5年間の取組概要]
魚類養殖業者は、主要な養殖魚であるブリとマダイに、えひめの『ポン
ジュース』を製造する過程で生ずる、みかんの搾汁粕(果皮)を飲料メー
カーより安価で購入し、それを一定量配合した餌を与えることにより、『み
かんブリ』『みかん鯛』を生産している。
この『みかんブリ』『みかん鯛』は、魚臭さが少なく柑橘の香りがほのか
に感じられることから、若い女性や子供たちにも好評で、愛媛県の『「愛」
あるブランド』にも認定されている。今後も市内の流通業者と連携しポス
ター、シール、ポップの作製や、スーパーや飲食店での試食会を開催するこ
とで差別化商品として価格の向上と出荷量が担保され、大手の回転寿司
チェーン、スーパー、高級総菜店への契約販売を増大していく。
[1年目の取組内容]
魚類養殖業者は流通業者と連携し、『みかんブリ』『みかん鯛』の新たな
販売先確保および取り扱い量の増大を目指し、大手回転寿司チェーンや総菜
店等に対し営業を展開し、出荷量を基準年度より2%増加させ、漁家所得の向
上を図る。
また、みかんブリ、みかん鯛の香りづけは、通常養殖した魚を比較的短期
間果皮を与えることにより行われることから、販路拡大の状況にあわせて、
みかんフィッシュの生け簀比率を上げていく。
・首都圏、関西圏等県外への出荷量の増加
[5年間の取組概要]
延縄・追掛網漁業者は、タチウオ、ハモ、アマダイ、イサキが主要魚種と
なっているが、規格や取扱手法が統一されていないうえ、漁獲物の多くは地
元の小売店や飲食店で消費されており、市場価値の高い首都圏、関西圏等県
外へ流通している割合は少ない。そこで、すでに取引のある魚類養殖の流通
ルートを活かし、首都圏、関西圏それぞれの市場ニーズを流通業者と協力し
て把握し、それぞれの市場が要求する規格や取扱手法を実施することで県外
への出荷量を増加させ魚価の向上を図る。
[1年目の取組内容]
延縄・追掛網漁業者は、流通業者から相手方の要望を情報収集しながら、
視察や取り寄せなどにより、各地ブランド魚の規格や取扱手法の情報を収集
する。
・市場統合と荷捌施設の新設による衛生管理と流通拠点機能の強化
[5年間の取組概要]
市及び全漁業者は、二つの魚市場へ出荷している現在の流通体制を見直し
集約するため、両魚市場の統合と荷捌施設及び冷凍冷蔵施設の新設を検討す
る。
また、新設する荷捌施設については、シャッターによる場外との区画遮
断、入場の際の消毒槽通過、清掃の徹底等、徹底した衛生管理の元で運営す
ることにより、衛生品質が確保され仲買人の水産物に対する評価を上げてい
くこととする。加えて、冷凍冷蔵施設の新設により、荷受け後の鮮度保持や
冷凍商品等の販売アイテムの拡大を行うことで、取扱い高の向上を図る。
さらに、市場統合により他市場との競争力を強化し流通拠点機能を高める
ことで魚価の向上を図る。
[1年目の取組内容]
市及び全漁業者は、新魚市場の建設場所選定、施設の設計を検討する。
・漁場環境の管理改善
全漁業者は、海岸清掃や夜間の漁場監視を実施することにより、漁場の管
理・改善を図り、安心・安全で生産性の高い漁場を維持していく。
JF・団体名 | 愛媛県漁業協同組合(宇和島支所) |
住所 | 〒798-0067 愛媛県宇和島市枡形町2-6-11 |
電話番号 | 0895-22-5750 |
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |