浜プランの取組地区数※2024年3月末時点
5 8 8 地区 ※2024年3月末時点
(1)魚価向上
①未利用魚,低利用魚の活用
・漁業者は,これまで廃棄していた雑魚(アイゴ,タカノハダイ,
イラ等)を丁寧に扱い直販所に出荷することとする。漁獲された雑
魚は,船上で氷を打ち鮮度保持する。帰港後は,原則その日のうち
に各漁業者が組合員の簡易な集荷施設に運び込み,小分けにしてパ
ッキングし,漁業者が交替で直販所に搬入する。
・漁協は,漁業者が水揚げした雑魚を出荷する直販所との連絡調整
(魚種,出荷量,価格等)を行う。
・漁協及び漁業者は,一般消費者に馴染みの少ない雑魚の食べ方を
普及する。おさかな市(直販市)では,雑魚の試食やレシピの紹介
を行うとともに,農林水産物の直販所ではそこでの販売促進イベン
トに合わせて同様の活動を実施する。
・漁業者は,仔アジをパッキングして直販所に出荷する取組を始め,
段階的に増やして行く。
・漁協は,パッキングした仔アジを出荷する直販所との連絡調整(出
荷量,価格等)を行う。
②販路先の開拓
・漁協及び漁業者は,商談会への参加や先進地視察等を行い,市場
ではほとんど取り扱われない魚(カタボシイワシ等)について,加
工向けの原料としての可能性も含めて新たな販路を開拓する。
④ 度保持対策
・漁協は,地域内で鮮度保持に優れた漁業者の技術(神経締め,氷
の打ち方等)を地区内の直販所等への出荷者に普及する機会をもう
け,地区内における漁獲物の鮮度の底上げを図り,魚価の向上を図
る。
・漁業者は,優れた鮮度保持技術を身につけ漁獲物の鮮度保持の向
上に努める。
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・漁協及び漁業者は,活魚出荷を含めた新技術(ナノバブル)や関
連設備導入(ナノバブル発生装置,活魚水槽等)を検討する。
(2)漁獲量の向上
①小型定置網の改良
・漁業者は,小型定置網の漁具改良により水揚量が大幅に増加した
という事例を参考に,当地区でも小型定置網の漁具改良に取り組
む。これまで当地区の定置網では,ブリの漁獲は見られていたが,
漁具の構造上回遊してきたブリが一旦入網しても,揚網時にはその
半分位が逃げていた可能性が示唆される。このため,ブリを対象と
した金庫網の設置や登網の改良に順次取り組むことで,最終的には
ブリの漁獲量の倍増を見込む。1年目は,2統の小型定置網の改良
に取りかかる。
②水産資源の増大
・漁協及び漁業者は,県や市等の関係機関の協力を得ながら,松木
魚礁設置,マダイ・ヒラメ種苗放流等を継続して実施する。
・県や市は,広域漁場整備事業における増殖用魚礁設置によって水
産資源の増大を図る。また,漁協及び漁業者は造成された増殖用魚
礁に,最低2ヶ月間の保護期間を設け水産資源の増大を図る。
(3)販路の強化と拡大
①おさかな市(直販市)の継続開催
・漁協及び漁業者は,地元の港で毎月1回開催しているおさかな市
(直販市)を継続して開催する。錦江湾で漁獲される地魚(未利用
魚,低利用魚も含む)を一般消費者,特に地元住民に普及すること
により,おさかな市で地魚を購入してもらうことはもとより,日常
においても漁業者が出荷している地元の農林水産物の直販所でも
購入してもらうことで,販路の強化を図る。
②農林水産物の直販所等への出荷
・漁業者及び漁業者は,地元の農林水産物の直販所等への出荷の実
績を積み上げ,消費者の地魚に対する認識の向上による消費拡大
や,地魚の出荷体制の構築を図る。漁協は,それを基に近隣の直販
所ばかりではなくスーパーマーケットとの取引も徐々に拡大する
よう努める。
③漁協直営の水産物販売所開設
・漁協は,地元や近隣の直販所等への出荷実績を基に,港湾利用計画の変更を見据えながら,産業道路沿いの港湾用地に漁協事務所を
併設した漁協直営の水産物販売所(レストランを含む)の新設を検
討する。新設するに当たっての検討事項としては,用地の確保に向
けた港湾管理者との協議や漁協直営に係る経営方法の内部協議,補
助事業導入に関する行政機関との協議等である。
(4)その他
①ワカメ加工の取組
・漁業者は,収獲したワカメを乾燥ワカメ等に加工し直販所等に出
荷する。漁協は,漁業者がワカメ加工品を出荷する直販所等との連
絡調整(出荷量,価格等)を行う。
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |