浜プランの取組地区数※2024年3月末時点
5 8 8 地区 ※2024年3月末時点
① 新規養殖技術の導入促進と出荷体制の構築(人工種苗導入・完全 EP 化)
養殖業者は、環境負荷の少ない出荷体制を構築することで消費者からの
イメージアップに繋げ収入向上を目指すため、区画漁業権を取得し、カン
パチについては、(公財)かごしま豊かな海づくり協会より人工種苗 10,000
尾程度を導入し、試験養殖を行う。
また、県・町、国や県の研究機関、飼料会社等と情報交換を行い、カン
パチの給餌 EP 化を目指し、養殖技術の確立に取組む。
ヒラマサについては、県内では種苗生産されていないため、近畿大学か
らの種苗導入を検討する。
② 生産・流通加工段階出荷体制見直し
(養殖段階認証・流通加工段階認証取得等)
養殖業者は、漁協及び県・町等の支援の下、水産資源の持続性と環境に
配慮した生産段階・流通加工段階の水産エコラベル認証である MEL 取得の
検証、申請を行う。
また、令和4年度に町内小中学生を対象に町産養殖魚の名称を募集し、
決定した『錦笑カンパチ・ヒラマサ』(商標登録第 6625513 号 R4.10 取得)
を、県・町・町商工会の協力の下、都市部へのフェアに参加し、地元産の
ブランド魚として PR に取組む。
併せて、仲卸商社を通じ、寿司チェーン店で「カンパチ・ヒラマサ」の
期間限定で販売を開始する。
③ 高鮮度保持技術を利用した出荷の構築(天然魚・養殖魚の付加価値向上)
漁協及び漁船漁業者、養殖業者は、令和4年度にポストコロナ農業生産
体制革新プログラム事業により導入した活性水機器『ディレカ』を通した
水に漁獲物を浸し、神経〆で高鮮度に保持された天然魚及び養殖魚の出荷
を試験的に行う。
④ 未利用・低利用資源の加工品開発による付加価値向上
養殖業者は、地域イベントに参加し、自社の加工場で開発した未利用・
低利用資源を利用した、さつま揚げなどの加工品を PR 販売用のキッチン
カーにより販売する。
また、ヒジキ採捕業者は、採捕したヒジキの付着物を除去することで、
単価の向上に努める。
漁協は、これらに伴い必要な機器の整備について、県・町と協議する。
⑤ 観光業と連携したブルー・ツーリズムの推進(養殖漁業体験・釣り施設
等)
養殖業者は、県・町や町観光協会、地元のゲストハウスの支援の下、養
殖漁業体験や養殖魚を使った調理加工体験、民泊体験に取り組む。
また、漁協は、遊漁船業者や町・町観光協会等と連携し、町沿岸の釣り
施設の設置に向けた検討を行う。
⑥ 漁場環境保全と水産資源の維持増大
(魚礁設置、種苗放流、藻場の保全・造成)
漁協は、町と協力し、放流した稚魚や未成魚、イセエビ等の保護のため、
増殖礁の設置に向けて県と計画協議を行う。
漁協は、県の「豊かな海づくりパイロット事業」を活用し、(公財)かご
しま豊かな海づくり協会が生産するヒラメ・マダイの種苗を購入し、各漁
業者がヒラメ、マダイの種苗放流を行い、水産資源の回復増大を図る。
漁業者は、前期プランから引き続き、国の『水産多面的機能発揮事業』
を活用し、漁協及び県・町・鹿児島大学研究機関と情報交換し、食害対策
や流失対策を講じながら藻場造成のために磯焼け対策としてウニ駆除や
母藻投入等に取組む。
⑦ 魚食普及の推進
(小学校等での体験授業、地域水産物 PR イベントの参加、学校給食への利用
促進)
漁業者及び漁協は、町と連携し、地元小中学校等の体験学習の受入、出
前授業を行い、漁業への関心を高めてもらうとともに、料理教室を行い魚
食普及に取組む。
漁業者及び漁協は、町や大隅地区漁業士会と連携し、地域水産物イベン
トへ参加し、魚食普及に取組む。
漁協は、地元水産物の学校給食への利用促進に向けて、町と協議する。
⑧ 漁業担い手の確保・育成(漁業担い手の確保・育成)
漁協は、新たな後継者確保のため、町と協力して住環境等の生活情報を
提供し、新規就業者の確保を目指す。
また、新規就業者や既就業者を対象に、『技術習得支援事業』を利用し
船舶免許取得の後、養殖業に従事する傍ら漁船漁業(一本釣り等)等の就
業育成に努める。
漁協及び漁業者は、高齢化に伴う後継者不足や養殖業従事者の新規就業
希望者に対する船舶免許を不定期に取得できるよう小型船舶免許センタ
ーに要望するとともに、養殖に従事する傍ら漁船漁業の兼業漁業者として
意欲的な人材の確保・育成に努める。
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |