浜プランの取組地区数
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地区
※2024年3月末時点
浜プランの取組地区数
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※2024年3月末時点
浜プラン優良事例表彰
目次
審査基準に基づき総合的に優れた取り組みを行っている再生委員会に授与される「農林水産大臣賞」を受賞したのは、福岡県の糸島市地域水産業再生委員会。
消費地の市場調査を実施し、鮮度保持マニュアルを作成。それに基づき処理されたサワラは、県内外で高評価を受け、魚価の向上を実現。
また、地域内の直売所やカキ小屋による直接販売は漁業者の所得向上やインバウンド誘致に貢献し、雇用創出等地域活性化の核となっています。さらにカキ殻のリサイクルでは異業種とも連携し、浜の持続的な発展につなげています。
農林水産大臣賞に準じる総合的に優れた取り組みを行っている再生委員会に授与される「水産庁長官賞」を受賞したのは、北海道の苫小牧市地域水産業再生委員会と三重県の大紀町地域水産業再生委員会。
苫小牧市地域水産業再生委員会では、主要魚種であるホッキガイとマツカワカレイにおいて、地道な資源管理や道内外へのきめ細やかな出荷対応、漁協による積極的なPR活動等が奏功し、資源の増大と魚価の向上の両立を実現しています。
大紀町地域水産業再生委員会では、高品質の養殖マダイの生産や地域外の販路拡大に取り組む一方、地元では地域社会の課題への対応として移動販売車を展開。地域内の買い物難民対策にも取り組んでいます。
水産庁各賞に準じる総合的に優れた取り組みを行っている再生委員会に授与される「全漁連会長賞」を受賞したのは、静岡県の田子の浦地区水産業再生委員会と鹿児島県の屋久島地区地域水産業再生委員会。
田子の浦地区水産業再生委員会では、高品質が好評な「田子の浦しらす」のさらなる高付加価値化のため、漁業者自らが加工を行うとともに、漁協は直営の食堂でシラス丼や加工品を提供。また、GI(地理的表示)登録を機に、地元JAと連携し同じくGI登録を受けた三島馬鈴薯とのコラボによりGIコラボコロッケを開発。地域の活性化につなげています。
屋久島地区地域水産業再生委員会では、離島地域における漁業コスト削減と漁業収入向上の両立に挑戦。個々に操業していた漁業スタイルを協業化するとともに、改革型漁船を導入し遠方漁場を開拓したことで水揚げの増加を実現。また共同探索の実施で、燃油コストの削減にもつなげています。
(写真 左:全国漁業協同組合連合会 岸代表理事会長、中:田子の浦漁業協同組合 栗田業務課長、右:屋久島漁業協同組合 寺田参事)
とりわけ水産加工業、流通業など、地域の周辺産業に貢献する取り組みを行っている再生委員会に授与される「農林中金理事長賞」を受賞したのは、香川県地域水産業再生委員会小豆地区部会。
増加するハモの有効利用と、離島ならではの高い輸送コストや少ない販売先といった課題に、島内の複数漁協が取り組みました。市場調査により魚体選別の徹底の必要を認識し、畜養環境の改善や施設の整備に着手。島内特産のオリーブを活用した商品開発にもチャレンジし、新規マーケットの開拓に取り組んでいます。
(写真 左:農林中央金庫 奥代表理事理事長、右:四海漁業協同組合 小豆島 鱧の会 長栄会長)
とりわけ若手漁業者、高齢漁業者、女性の参加など浜全体の再生・底上げに繋がる取り組みを行っている再生委員会に授与される「共水連会長賞」を受賞したのは、鳥取県の岩美町地域水産業再生委員会。
漁協女性部グループが運営するカフェでは、食事宅配等の高齢者向けサービスに力をそそぐ一方で、地元住民の憩いの場としても活用。また、地元の道の駅で人気の水産加工品の製造や、プロ監修のもとでの地魚料理の商品化にもチャレンジ。観光振興や地域活性化に貢献しています。
(写真 左:全国共済水産業協同組合連合会 川端代表理事会長、右:鳥取県漁業協同組合 網代港支所 女性部 下根部長)
とりわけ安定的な収益が確保され、漁業所得の向上に寄与する取り組みを行っている再生委員会に授与される「漁済連会長賞」を受賞したのは、兵庫県の兵庫県地域水産業再生委員会 明石浦部会。
浜プランの承認は全国で最も早く(第1号)、長年の課題であった施設整備等をいかに計画的に進めるか考えるところからスタート。買参権を活用した買取販売や活き締め・神経抜きの推進、販路の多様化にも力を入れ、価格の安定やリスク分散を実現。地元観光業とも連携し、win-winの関係構築にも取り組んでいます。
(写真 左:全国漁業共済組合連合会 猪苗代専務理事、右:明石浦漁業協同組合 戎本代表理事組合長)
表彰式は選定委員会の委員長を務めた東京海洋大学 工藤准教授による講評をもって終了いたしました!
講評の中で触れられたポイントをご紹介します。
【選定委員会を終えて】
「浜プランは、浜が主体となって、地域漁業のあるべき姿を描き、所得向上に取り組むものですので、その内容には地域性が強く反映されています。ご応募いただいた浜プランはどれも地域の特性を活かした優れた取り組みが多く、甲乙つけがたいものでありました。また、こうした浜の多様性こそが水産物の多様性を生み出し、それによって我々の豊かな食生活が支えられていることを改めて実感した次第であります。」
【選定のポイント】
「この表彰の目的は、優れた浜プランを表彰することによって、その内容の周知・普及を図り、全国の浜プランの取り組みをより発展させていくことにあります。したがいまして、審査は、所得向上の達成度のみならず、他の地域でも参考となる取り組みになっているかといった、それから発展性、継続性、新規性、そして浜全体の再生に寄与しているかといった側面から総合的に判断させていただきました。」
【浜プランの意義】
「平成25年度から日本各地で浜プランが取り組まれてきましたが、現在、全国の概ね7割の地区で漁業所得が増加しているという成果が出ているとのことです。このように浜プランの取り組みによって漁村の活力が再生しつつあるということは、国民、消費者にとっても意義の大きいことだと思います。浜プランの取り組みによって浜値の向上が実現されたとすれば、それは今までよりも魅力的でおいしい水産物が消費者に届いたということに他なりません。また、所得向上によって持続的な漁業経営が実現されれば、これからも水産物を安定的に消費者へと届けることができるということになります。」
今回受賞を果たした再生委員会の浜プランをまとめた事例集を以下からダウンロードいただけます。
「浜の活力再生プラン 優良事例表彰」は来年も開催予定です!
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |