浜プランの取組地区数

5 8 8 地区
※2024年3月末時点

山口県以東機船底曳網漁業協同組合

下関おきそこ地域水産業再生委員会

~漁業支援アプリ導入で操業を効率化~

ICT技術で持続可能な水産業を推進

経営体数は30年間で約80%減少。魚価の低下や、沖合漁業の衰退、乗組員の高齢化など様々な問題を抱えながら、デジタルを活用した操業効率化、ブランド化による魚価向上など産学官の連携で浜の活性化に取り組んだ。

目次

九州と本州の玄関口 人や物が行き交うまち下関市

下関市は本州の一番西の端にある山口県で最も人口の多い市だ。東アジアとも地理的に近いことから国内の物流拠点としても古くから栄えてきた。下関といえば「フグ」を思い浮かべるが、これは安土桃山時代から続いていたフグ禁止令が1888年に下関を訪れた当時の総理大臣伊藤博文が下関で食したことがきっかけで解禁になったとのいわれがある。また、フグのほかにもアンコウの水揚げが日本一であり、同市内にある下関漁港は、 全国に13港ある特定第3種漁港の1つ。下関漁港を基地とする2そう曳沖合底びき網漁業は、2隻の漁船が1組になって網をひき、交互にその網を取り込む 、全国でも数少ない特徴的な漁法である。今回紹介する浜プランは、そのような下関漁港の取り組みである。

かつては日本一の水揚げがあった下関漁港

2022年現在の人口は約26万人で、かつては遠洋・沖合漁業の基地として栄え、1966年には日本一の水揚量を記録した。そんな下関漁港内には全国的にも珍しい県営の水産物産地市場(下関漁港地方卸売市場)が開設されている。近年、陸上交通網の発達、遠洋・沖合漁業の衰退に伴い水揚量は減少傾向にある。2004年には、旧下関市内にある 3 つの水産物市場の活性化を図るため、市内に3つあった市場を再編したが、先述のような沖合漁業の衰退により、活性化は困難さが増している。まちの中心である下関漁港の再構築・再発展は地域にとって必要不可欠だ。

デジタル化で漁労負担を軽減

デジタル技術を活用した操業の効率化や漁業の現場の生産性の向上 、適切な資源管理を実践するため、水産大学校等と連携して漁業支援アプリケーションの導入・ 活用を行った。
全船にタブレットを導入し、漁獲情報などを入力。 操業中にいつでも漁獲量や水揚げ予想金額、位置情報が確認できるほか、漁獲成績報告書を簡易・迅速に提出することが可能となり、これまでの勘に頼る漁業から脱却して、技術の伝承を進めるだけでなく、漁労の負担を大幅に軽減することができた。また、沖で獲れた魚種や数量、帰港時間をアプリを通して競り前の市場や資材会社に送付することで、市場側の受け入れ態勢が迅速化され 、市場関係者の作業の負担を軽減し、作業効率がアップした。

「アンコウ水揚げ日本一」というブランド

下関漁港において水揚げが日本一なのにもかかわらず産地としてのイメージが低かったアンコウであるが、魚価向上を目指し、漁港入口に「あんこう水揚げ日本一」という看板の設置や、アンコウを模した公式PRキャラクターを市内の小中学生から公募で製作するなどしてアンコウをはじめとする漁獲物のPRに力をいれた。そして、「 下関さかな祭り 」 や 「 全国あんこうサミット 」 などへの参加、「 下関あんこうフェア 」 や 「 あんこう学生料理グランプリ 」 の開催のほか 、 あんこうの料理店マップの作成 、 高校生の調理実習への食材提供など幅広い内容の活動を展開し 、 地元の水産物の知名度の向上に貢献した。

産学官の連携で浜のこれからに取り組む

特に力を入れて推進しているブランド化による魚価向上の取組や漁業支援アプリの導入・活用は漁業者、行政、研究機関が連携し推進している。また、網目拡大や禁漁期間の設定などの自主的な資源保護、木箱の使用を止めて発泡スチロールやプラスチックの魚箱を使用する衛生管理などにも取り組み、持続可能な漁業を推進している。
これらの取組は漁業者間だけでなく産学官がしっかりと連携をしてプランの策定及び先進的な取組を実施してきた。下関おきそこ地域水産業再生委員会の挑戦は、画期的なものだと言える。

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