浜プランの取組地区数
5
8
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地区
※2024年3月末時点
浜プランの取組地区数
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地区
※2024年3月末時点
小笠原母島漁業協同組合 "
母島地域水産業再生委員会
目次
「東京」と聞くと、都会の喧騒を思い浮かべる人も多いだろうが、そんな東京には意外にも無数の島が存在しており、その中でも人が住んでいる島は11もある。東京から船を乗り継ぎ片道26時間、およそ1,000㎞南へ行くと最も南の有人島「母島」へ到着する。世界自然遺産に指定されている母島は雄大な自然と青く澄んだ海に囲まれている。年間を通して温暖で過ごしやすく、希少な固有動植物のほか、クジラなど珍しい海洋生物を見ることができ、多くの観光客が島を訪れる。島の主な産業は、メカジキ、ソデイカ、ハマダイ、マグロ類などを対象とする漁業やパッションフルーツ、レモン等を生産する農業のほか、海や山のレジャーを軸とした観光業となっている。 |
母島島内で生活必需品や食料品が売られている売店は2つほど。その1つをJF小笠原母島が運営している。食料品はもちろんのこと、日用品なども売られている。 母島は島民450 人余りの小さな島であることから、JF小笠原母島ではこれまで、島外に向けた出荷に重点を置いてきた。一方で島民や民宿などからは、地元水産物の提供を望む声が多くあったが、漁獲物の多くが一般家庭では消費しきれない比較的大型なものであるため、JF小笠原母島において一次加工(柵や切身)を行い、島内で消費しやすい形態に加工することで、地産地消を図った。地産地消という点で地域住民をはじめ民宿などの食事に供される観光資源として、母島地区の観光産業の発展にも寄与している。 |
10トン未満の小型漁船による沿岸漁業が主となる母島において、漁業経費における大きな割合を占めるのが燃料費である。このため、JF小笠原母島では、所属漁船の船底清掃や低速航行を推進し燃料消費量の削減に取り組んだ。これまでJF小笠原母島では、都心から南に約1,000㎞というハンディを抱えていることから、出荷方法の改善や出荷資材の安価な仕入先検討による購入費や輸送経費などの各種の経費削減に取り組んできた。高騰著しい燃油費用の影響を緩和するため、セーフティネットへの加入促進による燃油高騰対策を推進するとともに、減速航行の徹底や沖泊り操業による燃油費の削減などを行っている。 |
未利用資源となっていたイセエビについて、休止していた素潜漁を再開させ、小規模ではあるがイセエビの漁獲量の拡大を図っている。当初は新漁法の開発として、イセエビ籠漁法の導入を模索したが、海底の起伏の激しい母島周辺において、籠漁法が浸透せず、その結果、操業が休止していた素潜漁に原点回帰することとなった。網や籠による漁法の場合は他魚種の混獲や獲り過ぎのリスクを抱えるが、素潜漁という管理の容易な漁法により、不要な混獲の防止や資源管理の徹底につながっている。イセエビは地域内の需要も高いことから、漁業としてのうまみは少ないながらも、地域の声に応えるため、再生委員会として漁業者と協力しながら、イセエビ漁を引き続き支援していく。 |
「浜の活力再生プラン」(通称「浜プラン」)は、2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取組です。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取組計画を「浜プラン」と呼びます。
浜プランは、漁業者や市町村を中心に組織された「地域水産業再生委員会」が、課題・計画・目標を見据えて立案します。
その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入を向上させる取組、コストを削減する取組など、多種多様な具体的なプランが実践されています。
浜ごとに策定される浜プラン。浜の数だけ課題があり、取組が行われています。大きくは以下のような取組が全国の浜で取組まれています。
<収入向上の取組>
高鮮度出荷・加工品開発、直販・輸出など
<コスト削減の取組>
省エネ機器の導入・協業化・船底清掃の取組実施など
浜プランは、「地域活性化のための処方箋」です。
各地域が抱える課題に対し、漁業者と市町村がタッグを組んで自ら考えた解決策を実践することに、浜プランの本質があります。漁業や水産業の改革によって地域全体を元気にすること、「地域創生」に貢献することが、それぞれの浜プランの役割です。
付加価値向上 | 生産・流通 | 外食・観光 | 消費拡大 | 計 | 参考 各地の浜プラン | |
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北海道地区 | 32 | 16 | 7 | 33 | 北海道 | |
東北地区 | 62 | 31 | 3 | 22 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県 山形県、福島県 | |
関東地区 | 70 | 40 | 16 | 13 | 茨城県、千葉県、東京都、神奈川県 | |
北陸地区 | 24 | 12 | 4 | 19 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 | |
東海地区 | 23 | 19 | 13 | 14 | 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | |
近畿地区 | 30 | 11 | 10 | 33 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県(日本海側)、 兵庫県(瀬戸内海側)、和歌山県 | |
中国地区 | 32 | 10 | 15 | 44 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | |
四国地区 | 40 | 53 | 5 | 75 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | |
九州・沖縄地区 | 73 | 59 | 41 | 67 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
計 |