浜プランの取組地区数

5 5 4 地区
※2023年3月末時点

太地町漁業協同組合

太地町地域水産業再生委員会

地域資源としてクジラを有効活用
「海業」で地域課題の解決と町の発展へ

捕鯨・定置網漁業などの沿岸漁業と、豊かな自然とクジラを資源とした観光業で知られる和歌山県太地町。クジラとともに生きる伝統を守り、地域を活性化させるため、クジラを観光資源としてふれあい体験、消費拡大、観光メニューの開発など、様々な取組を進め、町に人を呼び込む太地町地域水産業再生委員会の取組をご紹介!

目次

クジラを観光資源として活用

太地町の基幹産業の一つが、豊かな自然とクジラを資源とした観光業だ。太地町では、クジラを主体とした観光と学術研究の街づくりを行ってきた。鯨類追込網の漁業者が町や太地町開発公社と連携し、森浦湾に設置した畜養いけすで鯨類の餌付けを行い、JFが実施するシーカヤックやダイビングなどによるクジラとのふれあい体験に活用した。
このほか、食肉出荷だけでなく生体出荷や、さらなる単価向上を目指すため、小型鯨類への餌付けや訓練の方法について検討を重ねた。

「道の駅たいじ」の開業と運営

JFが運営管理している「道の駅たいじ」は、「海業」の実現における重要な拠点だ。くじらの海計画の基幹施設となる遊歩道付き仕切り網の完成、来訪者による漁業体験、地場消費の拡大に向けたモニターツアーや情報発信のためのガイドブックの作成など、観光の拠点となっている。また、レストランで提供する新たな鯨料理や、漁業者と地元加工業者の協業による干物・大和煮・燻製品などを開発し、利用者数や販売額を伸ばし、消費拡大に貢献し、漁業者の収入も増加した。
さらに、地域内外の宿泊施設と連携した観光メニューを企画し、道の駅、森浦湾くじらの海構想、渚泊を活用した本格的な体験交流などによる観光振興と地産地消の体制を構築した。

研究分野での連携拡大

浜プランに基づく各種事業を効果的に活用し、漁業活動に必要な施設整備、加工に関するプランの策定、省エネ対策などの多角的な取組を実施した。その結果、水産物の販路拡大やクジラを観光資源とする海業の実現などにおいて実績を上げた。このほか、鯨肉の付加価値向上を目指し、三重大学と協働して成分を分析し、小型鯨類の鯨肉に含まれる栄養成分の分析と機能性成分の探索を試み、成果を得たことや、一般財団法人日本鯨類研究所の支所の誘致にも成功するなど、研究分野での連携も拡大している。
大きな成果をもたらした浜プランの取組は、町全体の発展と一体となっており、今後のますますの発展が期待される。

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